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えすぱっ子
by ひかる。
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■プリンス東海 岐阜工業高校戦
 酷暑と悪ピッチは、個人技重視の清水に不利と思われた。立ち上がりが勝負と見たのか、清水は快調に飛ばす。開始直後、東邦戦以来4節ぶりの先発復帰となる町田が飛び出して、いきなりオフサイド。1分、悠輔のシュートはDFブロック、GKが拾いきれずにこぼれたボールを町田が反転シュート、DFに当たって枠外。4分、左に開いた町田が浮き球トラップで突破、中に切れ込みつつ左に叩くと、ボランチの僚友・池田が大外に回り込んで左クロス、DFクリア。これを拾った真希が、再度左サイドを突破。スピードで強引にブッ千切ると、全力を込めた高速クロス。町田が飛び込んで合わせたが、DFと交錯してボールがこぼれる。すぐ近くにいた悠輔が体ごとDFとGKの網を押し広げ、ボールをゴールに収めた。1−0。PA内の強引さは、さすがスペイン仕込み。清水が一気呵成に攻めきった。
 その後も清水は、攻め手を緩めない。7分にも、真希が奪うと自ら右サイドを突破、高速クロスにDFが処理ミス、こぼれたボールが足下深く入ったのを巧く処理して、悠輔がPA内でシュートを放ったが、GK清水が横っ飛びでパンチングする。中盤の底に池田を一人残し、その前で自由奔放に真希が動く格好で攻める清水だが、4−2−3−1でサイドを重視する岐阜工も簡単にはサイドの攻防で譲らず、次第に展開が縦に急ぐ単調なものに。町田が順調にオフサイドを稼ぐ。19分に柴田が浮き球トラップでDFを交わしスピードで縦突破、抉って右クロスはニアの悠輔に合わず、だがその裏にいた町田がボレーは、ニアポストに嫌われる。
 久々にサイドを攻略した清水だったが、その後の21分。岐阜工は中盤左からロングボールをPA内右に対角線で送り込むと、右MF栗本がCB佐野の前に走り込む。体を寄せる佐野を肩でブロックしつつ、ダイレクトでボレーシュート。難易度の高いシュートを枠内にコントロールしたのはさすがだが、生憎コースがなく、GK風間が弾くと、カバーした桑卓が右CKに逃れた。奥田の右CKはニアで真希がクリア、ファーで流れて上埜がキープし、町田がポストからスルーパスは、一歩間に合わずGKが抑えた。だが、それに突っ込んだのは、最初にクリアした真希。相変わらず恐ろしい運動量である。


(28分、ポストに入った悠輔が巧くファウルをもらい、右45度35M程ある位置から真司のFK。ニアの悠輔がバックヘッドを放つがDF4番に跳ね返され、リバウンドを真希のシュートはブロック、更に池田のミドルは枠上)

 カウンターで一つ形を作った清水。酷暑の疲労で序盤のフォアプレスは弱まり、逆に岐阜工のプレスが上回ったのを見て、速攻モードに切り替えた。29分、岐阜工プレスにパスが乱れ、上埜が高くクリアして時間を稼ぐと、センターサークル付近で真司が待ち受ける。とりわけ芝が荒れたその位置で、真司は巧みなトラップと重心を低くしたターンでキープ、代わって左に流れた池田に捌く。池田は前の真希に当てて更に左へ回るが、真希はその動きを囮に中にトゥットっぽいスライド移動からミドル。GK清水、横っ飛びで好セーブ。32分には、やはり岐阜工のプレスを避けてGK風間に戻す。風間は長く蹴り出そうするが、一人真希が最終ラインの右に顔を出し、パスを要求。ボールが渡った時、真希に加納隆次が乗り移る。「藤田東のフラッシュパス」発動。真希から彼と入れ替わって中盤右に位置する上埜へ、ダイレクトで叩いて右サイドに開いた柴田へ、ダイレクトでPA手前の町田へ、そしてPA内にスルーパス。飛び出した悠輔が溜めて溜めて、耐えきれずにGK清水が体勢を崩した瞬間、初めて右足を一閃。GKの上を越えて、ゴール中央に吸い込まれた。恐ろしいまでの落ち着きっぷり。2−0。ハッキリ全部覚はえてはないが、ほぼ全てがダイレクトだったはず。しかし、現実であれにお目にかかれるとは…。

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07月10日(土)
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