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えすぱっ子
by ひかる。
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■プリンス東海 浜名高校戦+JY: 掛川戦 (3年、2年、1年)
しかし、実質的に一人欠いた状況下では、浜名に主導権を引き渡すのも必然であった。ただ、そんな状態で13分、オフサイドにはなったが、僅かなスペースで町田にスルーパスを通すなど、枝村は存在感を示す。その直後の14分、浜名の右CKをニアでキャッチしたGK風間に、浜名・平山が激突。風間も治療を受けて試合が中断する。何とも言えない雰囲気の中で再開した17分、浜名右SB村上のクロスにファーで諏訪園のボレーは枠上、18分、池田のファウルから素早く再開して9番のミドルはGK、依然として浜名ペースが続く。それでも22分、粘った池田が枝村に渡すと、枝村はワントラップでマークを引き剥がしてサイドチェンジ、右SB美臣がパスに導かれるように攻め上がり、アーリークロスを真司が「何か」しようとしたが、タッチが大きすぎてGKに拾われる。パス出し地蔵に過ぎない枝村が、好機を演出する。
そんな枝村、守備では貢献できない。23分、中盤中央で浜名9番のドリブルに併走するが、全く競り合えず、左に叩かれて松本のクロスに、石垣と岩本の間に入った諏訪園がフリーでヘッド。が、右に大きく外れる。動けない枝村は、なおも24分、FKを誘う真司のドリブルを導く縦パスを通すなど (FKは真司が直接狙うも枠上)、自分のできる範囲で試合に貢献していたが、30分、浜名10番の反則タックルを受けた時点で、遂に限界に。自ら手で×を作って交代を申し出て、キャプテンマークを真司に譲り、ピッチを後にした。客観的に見れば4分に痛んだ際に代わるべきだったと思うが、主将として、枝村の根性を見られた26分間だった。また、一人で中盤底のフィルター役を果たし、浜名の中央突破をほぼ抑えていた池田も、賞賛に値するだろう。
とはいえ枝村は、攻撃の演出者である。ただでさえ、GK前田−DF村越−MF真希−FW悠輔のセンターラインが抜けた今日のチームにおいて、全てを委ねられる選手であった。これだけの存在がいなくなれば、攻撃の組み立て方を考え直す必要もあるし、心理面に動揺も見られる。自陣ゴールに最も遠い相手PAの両横のスペースにロングボールを蹴り込み、選手を走らせる、そんなシンプルな浜名の攻撃に対し、清水はそこから繋ぐ意志統一に欠け、4つのCKを提供する。だが、浜名の方もミスが余りに多く、GK風間を脅かすことができない。逆に37分、真司のドリブルを浜名8番が止め、距離35M・左60度からのFKを池田が蹴ると、速いボールをニアで谷野が僅かに合わせ、石垣もそれに詰めたが、ボールはポストを直撃。結局、両者決定機と言えるのはこの程度で、前半を折り返すことになった。
浜名高 清水エスパルス
5(1) シュート 5(2) ×枝村、○枝村、×真司、○池田、×谷野
3(1) 右クロス 4(2) ×一也、○町田、○美臣、×一也
6(2) 左クロス 1(0) ×真司
6(1) 右側CK 0(0)
2(0) 左側CK 1(0) ×真司
1(−) 犯OS 4(−) ・町田、・町田、・町田、・町田
7(3) ファウル 6(2) ×池田、・岩本、・美臣、×美臣、・池田、・町田
[後半]
後半開始早々1分、今度は浜名にビッグチャンス。強風を避けるためか、低い軌跡を描いた風間のゴールキックを高い位置で奪うと、潰そうと前に出た岩本を振り切ってサイドに展開。右から8番がスペースに抜け出し、上げたクロスを石垣の前のスペースで諏訪園が頭で叩き付けたが、僅かに左へ外れた。岩本のポジショニングが既に、チームの生命線になっていることを象徴する場面であった。
(5分、左CKのチャンスにも、谷野 (中央) がファウルの判定を受ける)
その後は浜名9番のミドルが1本あった程度で無為に時間が過ぎていくが、7分、築館監督が動く。町田・一也に代えて長沢・小泉。これで清水は、本来のセンターラインに代わり、昨年Jrユースのセンターライン(岩本−池田−長沢)が築かれ、どうにか1本、軸が縦に通ることになった。岩本・池田が素早く長沢のポストを狙うという明確なコンセプトが生まれたことで、攻撃に意図が見受けられるようになる。
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04月17日(土)
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