ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■高円宮杯 コンサドーレ札幌戦
財前監督の意図は分からないが、札幌の4−2−3−1は明らかに失敗であった。MFに5人の選手を集めたことで、結果として清水の最も得意とする中盤での勝負となってしまったからである。清水は3分の村越のロングシュートで口火を切ると、4分に真司が捌いたボールを大瀧がドリブルから左10度シュートと機先を制す。札幌は石井と渡邊のドリブルからそれぞれ1分と7分にFKのチャンス、11分には森安のマークが遅れた隙に石井が裏に突破して渡邊に左クロスを渡したが、最後にDFのクリアに遭い、シュートまで至らない。
清水は徐々に攻勢を強め、12分に海人のキックをDFが跳ね返したのを真司が拾い、早くも長袖な枝村のドリブルから大瀧、戻して篠田の左クロス。13分は村越のキックを阿部が落として今度は大瀧がドリブル、枝村に戻してチェンジサイドに再び篠田が左クロスを送る。長短を交えた素早いパス回しに翻弄されて遂にエースの阿部へのマークが空き出すが、13分の阿部のミドルは当たり損ね、16分は真希が大瀧のワンツーから突破、ライン寸前で上げた左クロスに阿部が合わせたが枠外(というか、左からのクロスにニアで左足で合わせても決まらんて)。未だ国体の重しを引きずるエースだが、空中戦で圧倒し、20分にも阿部の落としたボールを枝村が拾ってスルーパス。大瀧の左クロスのコボレを真司が拾って戻し、真希のPA外シュートは大きく外れた。
攻め込みながら得点の奪えない清水に、大して暑くもないのに何故かこの試合の前半だけあった給水休憩の余裕が与えられる。仕切直しの26分、最終ラインで暫く溜めた村越が、阿部の動き出しを確認して60Mロングフィード。だが、一度外に回って中に入ろうとした阿部の動きに反し、ボールは外の右SB石郷の守備範囲に向かう。だが、石郷がクリアミス、ふわりとゴール前へ。GK蛯沢が飛び出すが、突っ込む阿部と競り合ってバウンドするボールをキャッチしきれず、再び上空へ。第二回戦、互いに反転するが慌てた蛯沢はお手玉で逃れ、もう一度上空へ。三回戦、蛯沢は倒れ込みながらキャッチにいくが、無情にも届かずに阿部の不戦勝。左ポスト付近に転がったボールを詰めたが、これが国体の呪縛なのかDFブロック。だが、阿部はこぼれを今度は自らの体ごと押し込み、実に泥臭いシュートで先制点をもぎ取った。1−0。ブンちゃん、虚に包まれたまま駆け寄る大瀧を見て初めて笑顔。観客は拍手しつつも苦笑。
得点直後にも森安のチェンジサイドから真希、枝村と渡ってワントラップからヒールスルーパス、大瀧が裏に抜けて逆サイドに振るが、谷野の右クロスはファーに流れる。28分、大瀧のスルーパスに真希の強烈なシュートはバー。その後、村越が鼻血の止血でフィールドから離れて攻勢も一休みとなるが、32分、真司がPA内で奪うとライン際から角度0度シュート、って、そんなの「オフサイド」の阿部弘志でもあるまいに、決まるわけもなくサイドネット。
だが、このあたりから真司の世界(ワールド)が全開。札幌は34分に、石郷の絶妙なクロスがファーに逃げるのを、海人が体の柔らかさを活かして掴まえたのが、唯一の効果的な攻撃。36分に藤田を投入、三浦をFWに上げて2トップに修正するが、奏功しなかった。
35分、真司の突破のクリアを村越が拾ってフィード、大瀧がスルーパスを送ると、阿部が抜け出してファーに流し込もうとするが、ここは蛯沢がキャッチ。36分、森安の右クロスをファーで大瀧が受け、右→左と切り返し2発。折り返したボールはDFがクリアしたが運悪く森安の元へ、転がるボールにタイミングを図り、ダイレクトで得意のミドルを放ったが、ニアポストの下を狙ったボールを、蛯沢が一度はこぼしたものの何とか抑えた。
しかし、真司劇場は続く。38分、阿部の右クロスをバックヘッドで左に流し、大瀧のクロスを導く。これはDFにクリアされるが、続けて森安のチェンジサイドを真司が柔らかく落とし、左外から走り込んできた大瀧が凄絶なシュート。バーを激しく揺さぶって垂直に落下、バウンドしてフィールドに戻ってきたのを、思い出したようにDFがクリアする。
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09月27日(土)
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