ID:64092
ビバ彦♂日記
by ビバ彦
[779581hit]
■松浦亜弥近作雑感
松浦亜弥「THE LAST NIGHT」サンプルを聴く。
やはり地味な印象は拭えない。腰を据えて聴けば佳曲ではあるが、
腰を据えさせるための表面的な官能性が足りず。
ただ、完全なスローバラードで勝負というチャレンジ精神は評価できるのでは?
音と相反しがちだったジャケットワークも今回は徹底されているし。
C/Wはアップテンポなテクノ歌謡風味の佳作。まぁ、A面には持ってこれないかな。
同時に「THE LAST NIGHT」PVも見る。松浦PVでお馴染みの鬼才竹石渉氏監督作
とは思えぬ凡庸な出来。舞い落ちる紅葉の中でオーケストラをバックに歌う松浦
という設定も、挿入されるイメージシークエンス(制服姿の松浦のダンスとダンス
する女性のシルエット)も氏にしてはやや平凡な発想と映じる。
その一方、松浦春コンDVDの出来が凄まじい!!
筆者は15回ほど通った春コンだが、こんなにいいライブだったっけか、アレ?!
正直、演出の緩さばかりが目立ったようなライブだったはずだが……。
しかし、DVDで見るライブは超スラッシュ! まず何と言ってもカットの切り替えが
滅茶苦茶ハード! バラード系の曲以外は3小節と同じカメラを使っていない。
殆どが1-2小節でカメラを切り替えてるので、見ていて飽きない。リモコン片手の
ザッピング感覚なのだ。かといって方法論だけの前衛、あるいは発想一発のハード
コア(NAPALM DEATH 「SCUM」)ではなく、ある種の官能性を保持したカメラの
切り替えをしている故にハードに振り切られても、歌がきちんと楽しめるところが
ミソ。具体的には、松浦の顔を見せるか、胸を見せるか、下腹部を見せるか、客席
からなめるか、会場を俯瞰するか位に類型化できるので、切り替えが激しく断片的
なイメージの羅列となっても意味がきちんと伝わるのだ。
これだけイメージの断片化、羅列化が激しいって事は、絵コンテ先にありきの
映像編集ではないような気がする。曲単位で最低限のキーシークエンスを決めた
後はほとんどリアルタイムでの即興演奏に近い、直感に頼った編集じゃないすかね。
さらに個人的に嬉しかったのが、「ダイアリー」から「夏男」への曲の切り替え部分。
ライブでは「ダイアリー」を歌い終えた松浦がえっちらおっちらステージ上部へと
階段を掛ける後ろ姿が、松浦らしからぬ無防備さを醸し出してしまい、演出家の
無神経さに不満を覚えたものだが、このDVDではその部分は完全暗転、きちんと
隠している。やはりどう考えても後姿を見せるというのは松浦イズムに反すると思
ったんだろう、DVD監督も。分かってるね。
もちろんディレクターは竹石渉氏。去年の松浦ライブDVDに続いて、素晴らしい
作品を残してくれました。竹石渉は天才! 松浦亜弥は宇宙人! BUY OR DIE!!!!
09月19日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る