ID:633
TAKANORHYTHM
by Tomoe
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■THEE
アベのギターのないミッシェルなんてミッシェルじゃないから。

世界中に上手いバンドもカッコイイバンドもあまたあるけど、
私にとってはいつまでも特別のバンド。
どんなバンドも代わりにならない。
広い大阪城ホールを、映像もセットもなく、音だけで一瞬で熱くしたあの興奮を忘れない。

ライヴに通ったファンたち、ドクロマークのTシャツの首にタオルを巻いて、
汗だくでフラフラになりながら楽しそうに笑ってた子たちも、
大人になって仕事したり結婚したりしてるだろうな。
そのうちの何人かは私と同じように映画館で自分の記憶の中のミッシェルと
向き合っている。
映像が終わりに近づくにつれ、会場から鼻をすすり上げる音がときどき聞こえた。
男も、女も、自分の中の彼らに語りかけてる。
特に、アベに。

アベはもう年をとらない。
そのうち私もアベを追い抜いてしまう。

アベの魂が別の次元で今も存在するなら、
大好きなギターをいつまでも弾いていてほしい。

彼のためにできることがあるとすれば、
自分なりに前を向いて生きていくこと。

私の人生なんてアベに比べたらくだらない、誰にも影響を与えない人生だけども、
アベより長く、ずっと先まで生きていこうと思う。
そしてずっと、彼らのことを覚えていよう。

ミッシェルと出会えて、同じ時間を過ごせてよかった。
これから何百回でも同じことを考えるだろう。
ときどき、脈絡もなく記憶の底から彼らのライヴの思い出を宝物のように取り出して、
もう帰らないキラキラした時間をなつかしみながら。

続いていくんだろう。

アベ、チバ、ウエノ、キュウ、
一生消えないくらい輝く思い出を与えてくれた4人に感謝を。
忘れがたい時間を同じ空間で過ごしたファンたちに、たくさんの幸が訪れますように。

彼らを見れなくなってこれほどまでに悲しい。
それくらい私たちは最高に幸せだったんだよ。

01月26日(火)
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