ID:633
TAKANORHYTHM
by Tomoe
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■舞い散る黄色い花びら
田辺誠一の武市半平太には最初からいい印象がなかったので、
劇中でも全くといいほど感情移入できませんでした。
小賢しいというか、他人を使ってるつもりでいていいように使われてる…。
好きだったのは坂本龍馬(池田鉄洋さん)や勝海舟(粟根まことさん)などの進歩的で明るいキャラ。
龍馬はのちに暗殺されちゃうわけですが。
この劇の以蔵は、この人たちについてけばよかったのに(−−
あと寅之助(木場勝巳さん)もいい味出してたな。顔でかい(笑
島村源兵衛(千葉哲也さん)はあまり印象がない…
山内容堂(西岡徳馬さん)はいかにも時代劇の黒幕っぽいたたずまいが素敵。
事態をちょっと離れた位置で眺めながら風向きを見て自分の立場は守る、セコイ性格(笑
田中新兵衛(山内圭哉さん)は、同じ人斬りでも以蔵とは対照的に頭もよくてさわやかで、
そのせいで妬まれちゃうのがちょっとかわいそうでした( ̄ー ̄;
役者の山内さんは山内容堂につながる血筋なんだって。偶然だー
薩摩なので「ごあんどん」?とかいう語尾が不思議でありました。
姉小路公知(右近健一さん)は楽しそうでよかったです。
途中セリフを噛んでたので、普段だったら罰ゲーム物じゃないかな〜。
下の名前の「きんとも公」と呼ばれてましたが、
その前に劇中できん○○というセリフが出て来るので、
きん○○公に聞こえてならなかった(バカ)。
おミツの戸田恵梨香ちゃんは若々しくてよかったと思います。お肌つるつる(´∀`)
鶴さん(中谷さとみさん)は新感線色を出しまくり(笑
客演の人と新感線の役者はノリが違うな〜。
女郎の夏さん(保坂エマさん)も雰囲気あって良かった。
おミツが以蔵の巻き添えで毒を盛られて死ぬシーンは泣きどころでしたが、
個人的には彼女は生きているべきだったと思う。
以蔵といっしょに(時期は違うけど)死ぬほうが甘い。
離れて一人幸せになるほうが現実的でよかった。
史実では以蔵は粗野で酒色を好んだというから、こんな幼なじみの存在は当然フィクションで、
以蔵の悲劇性を強調するために入れたんだろうけど。。。
三々九度とか、泣かせすぎじゃ。
しかし、与一だっけ、毒を盛る人。
彼女まで巻き添えにするなよ(´д⊂)
とみんな心で思ってたはず。
友達だと思ってたら最後に毒を盛られてしまう以蔵、裏切られまくり。
武市さんは以蔵の忠誠心と刀の腕だけを利用して、ほんとに信頼はしていなかった。
なのに、藩主の容堂が自分と同じ主義だと思い込んでた。
自分がやったことは自分に返る。やっぱ上には立てない器でしたか。
主義は違えど、自らの理想で日本を変えられると信じた人々が
刀と言葉で戦った時代。みんな必死に生きてたのね。
でも「天誅」とか言って個人を闇討ちにするのはやっぱり気持ちはよくないな。
ともに刑死する主従の最後の言葉が対照的で面白いと思いました。
武市半平太は、自分の判断が間違っていたのを以蔵の言葉で悟り、
最後に容堂に向かって「徳川幕府もいつか滅びる」と、ある種呪いのような言葉を残しました。
以蔵は、舞い散る満作の黄色い花を見て、
もっと地に足をつけて人として生きていけばよかったのだ、
自分のなきがらをこの花が覆い隠せばよい、といった内容の言葉を残しました。
血に染まった時代が終わり、人が人として生きられる光に満ちた時代が来ますように、という
言祝ぎを残し、
最後に犬は人として死んでいきました…
死ぬ前に見たものが舞い散る花の美しさだったという、フィクションならではの
救いがあるラストでした。
さすがにちょっと泣けた。
カーテンコールでは、ちょっと下がっている森田くんを
西岡さんが前に押し出すのを前回とあわせて3回くらい見ました。微笑ましい。
そういえば何か物足りないと思ったら、
カテコでは誰も挨拶してないんだなぁ。ひとことあったら嬉しいのに。
森田くん、セリフがほぼすべて土佐弁で、殺陣もあるしんどい芝居を頑張ってやってたと思うな。
痩せっぽちの野良犬みたいで、運命に翻弄される哀れさがよく出ていました。
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02月16日(土)
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