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遊戯王感想とか雑文とか(遊戯王の謎)
by 遺跡馬鹿
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■ツタンカーメンと王位継承とか…
明けましておめでとうございます
今年も気ままな駄文を書いていこうと思っています。


新年早々にテレビ東京で放送された

『悲劇の少年王“ツタンカーメン”−黄金のマスクに隠された3400年目の真実』
皆さんは御覧になりましたか?

『ツタンカーメン』は第18王朝のファラオ!
愛すべき我らの王様も18王朝ということなので、興味深く観た方も多かったと思います。

今回はツタンカーメン王墓から出土した副葬品が丁寧に紹介されていたので、私も興味津々で観ていたのですが、再現ドラマでちょっと気になった点があるので、ここで紹介!!


★ツタンカーメンの女房 『アンケセナーメン』 がヒッタイト王に手紙を書くシーン
手紙の内容は

夫(ツタンカーメン)を殺した元家臣が自分との結婚を望んでいる。
私は夫を殺した家臣と結婚するくらいなら、
このエジプトがヒッタイトの属国になってもいいから、あなたの王子と結婚したい
細めの枝をペン代わりにし、インク壺にペンを浸けながら、パピルスに手紙をしたためる…


…これ…たぶん間違い…


古代エジプトの文字と言えばヒエログリフですね!
アテム君の名前もヒエログリフで描かれていました。

でも、ヒエログリフってエジプトだけの文字で、当然、他国の人は読めません。
じゃ、アンケセナーメンはどんな文字でヒッタイトの王様に手紙を書いたのでしょうか!?

それは『くさび形文字』です。
当時、ヒッタイトへの外交文書はすべてくさび形文字が使われていました。
で、ここからが問題!!
くさび形文字はパピルスに書きません。
粘土板に葦の茎を押しつけながら、あのくさび形文字を作っていくのです。

だからアンケセナーメンがヒッタイトの王に紙の手紙を書くということはありえない。
あのシーンを正確に演出するなら、アンケセナーメンが書記に手紙を口述し、書記がその内容を粘土板に葦の茎を押しつけながら、「お婿さんください」と一文字づつ文を刻んでいく…という作業になります。

このアンケセナーメンからの手紙は実物が残っているのではなく、「手紙が届いた」という記録文書が残っているだけです。
もちろん、この記録文書も粘土板文書です。

ちょっと前に開催された、『トルコ三大文明展』で、このレプリカが展示されていました。
私も気になったのでメモを取ったのですが、このレプリカの説明に 『ツタンカーメン』 はヒッタイト読みで 「ニプフルリヤ」 と記述されていました。
どうしてこんな違いが生まれたのか考えてみました。
「マクドナルド」を英語発音でカタカナ書きすると「マクダーナル」になったり、
「デュエル」が「ドォエル」だったり…
こんな感じで違った名前に表記されたんじゃないかと思います。
ってことで、もしアンケセナーメンがヒエログリフで手紙をヒッタイトに送り、ヒッタイトにヒエログリフの翻訳家がいたなら名前の発音は正確に伝わるはずだと思います。

「ツタンカーメン」が「ニプフルリヤ」になってしまったのは、アンケセナーメンがしゃべった言葉をその場でヒッタイト文字で記録したためかと思います。

粘土板は壊れやすいので、普通は粘土板をさらに粘土で覆い、厳重に封印し、使者に渡します。
この時点でアンケセナーメンがヒッタイトから王子を呼ぶ計画を知っていたのは、書記官だけのはず…。
つまり書記官がホルヘムヘブに彼女の計画をチクった…ということになります。
私の想像ですが、この頃の王家は「まわり全てが敵であった!」みたいです。
お気の毒…(-_-;)



なんか趣味に走った内容になってしまいました…申し訳ないっす(^_^;)

まぁ…そんなわけで、あのシーンはちょっと変なんですね。
アテム君もヒッタイトでは「エビフリャ」とか呼ばれていたかも…。



■エジプト王位は女が継ぐ

ツタンカーメンは8才で即位すると同時に10才のアンケセナーメンと婚姻しました。
王位継承はアンケセナーメンにあったので自然な流れです。


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01月05日(月)
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