ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■ケンタッキーフライドチキンで、「妥当なサービスの範囲」について考える。
『週刊ファミ通』2010/12/2号(エンターブレイン)のコラム「桜井政博のゲームについて思うこと」より。
【台風がやってきたある日。素早く昼食を取るため、某所のケンタッキーフライドチキンに入りました。いわゆる店内お召し上がりで。
あんまりフライドチキンは食べないけれど、ケンタッキーには”和風チキンカツサンド”などがある。これはハンバーガー感覚でいただけておいしいのです。
そこで、やってしまった。
会計を済ませ、トレイを手渡された直後のこと、手に提げていたカサが、レジカウンターに引っかかり、トレイが傾いた。滑り落ちるMサイズのコップ。バシャンと音を立てて、散らばるコカコーラ・ゼロと氷。あ〜あ、やってもうた!
しかしすかさず店員さんが「申し訳ありません! すぐに替わりをご用意いたしますので!!」と言う。いやいやいや。いまのはわたしのせいですから! 申し訳ないのはこちらです。お代は払います。お店を汚してしまって、どうもスミマセン。しかし、「本当に申し訳ありませんでした!」。「お召し物は大丈夫でしょうか!?」と店員さん。何度か支払いを申し出たのですが、速やかにコーラの代わりを用意され、禁煙席に着いたのでした。
お客に明らかな過失があっても、速やかにフォロー。サービス業として、行き届いているんだなぁと感心しました。こういった対処はガイドライン化されているのでしょう。少なくとも、わたしの中では、ケンタッキーフライドチキンの好感度が上がりました。
……と、ここまで読んでみていかがでしょう? サービス業だから当然、と思った方、手を挙げて。
これからヒジョーに当たり前のことを書きますが。
もしスタッフ側なら、サービスに全力を傾けるのは良いことだと思います。予測できる限りの可能性を考えておくのが良いでしょう。
逆に、サービスを受ける側なら、お客だからと横柄に、何でも提供すべしと思うべきではありません。
お金を払ったのだから、王様のように対応されて当然、と思い込んでしまうと、けっきょく自分で楽しみの幅を狭めてしまいます。現に、わたしは今回のことでいろいろ感心し、コーラ1杯の価格を超えた価値ありと思っているのですが、これがふつうだ、あるいはけしからんと思ってしまうようであれば、誰にも何も生み出しません。】
〜〜〜〜〜〜〜
桜井政博さんは、『星のカービィ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』などの人気ゲームを手掛けたゲームデザイナーです。
この引用部のあとには、三波春夫さんの「お客様は神様です」という言葉の「真意」が紹介されています。
話を戻しますが、このケンタッキーフライドチキンの対応を読んで、僕も以前、映画館(有名シネコングループW)で、似たような経験をしたのを思い出しました。
上映前、妻と2人で飲み物とポップコーンを買って席につこうとしたのですが、誤ってトレイをひっくり返し、ジュースとポップコーンを床にぶちまけてしまったのです。
映画が始まるまで、あと10分あまりという状況で、僕たちは、映画館のスタッフに「床を拭くための道具を貸して欲しい」と声をかけました。
すると、スタッフの若い男性は、手早くその場を綺麗にしてくれて、そのうえ、新しいポップコーンと飲み物まで「どうぞお召し上がりください」と持ってきてくれたのです。
「いや、こぼしてしまったのはこちらですし、掃除をさせて、新しい商品までいただくわけには……せめて、新しい商品のお金くらいは払わせてください」とお願いしたのですが、「お気になさらずに、映画をお楽しみください」と、結局、お金は受け取ってもらえませんでした。
もちろん、僕たちのなかでは、「感謝」の気持ちが強かったのですけど、それと同時に「本当にこれで良かったのだろうか……そこまでしてくれなくても……」という違和感があったのも事実です。
桜井さんの場合は、「トレイを渡された直後」でしたから、店員さんも「自分のトレイの渡しかたが悪かったのではないか」と思った可能性はあります。実際に、そういうシチュエーションでは、とりあえず店員さんにクレームをつけるお客さんだっているのではないでしょうか。
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12月02日(木)
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