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活字中毒R。
by じっぽ
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■緒方恵美さんが語る「碇シンジの初体験と『新劇場版』への困惑」
『CONTINUE Vol.46』(太田出版)の「第1特集・ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の「スペシャル対談:緒方恵美×中田敦彦(オリエンタルラジオ)」より。文は志田英邦さんです。
【中田敦彦:どうやって主人公の碇シンジ役についたんですか?
緒方恵美:実は、私は最初『エヴァ』のオーディションを受けられなかったんですよ。『エヴァ』の頃は、私が絶頂に忙しい時期で。アニメーションの収録が週に9本、ラジオが3本あったんです。アニメーションは1本収録するのに5〜6時間抑えられるので、1日に2本が限度。つまり、もういっぱいだったんですね。それもあって、当時のマネージャーがオーディションをお断りしてしまって。そうしたら、ある日『美少女戦士セーラームーン』の番組旅行があって、庵野秀明さんもいらしたんです。そこで初対面の庵野さんに「なんで、あなたは僕の作品のオーディションを断ったんですか? 僕が嫌いなんでしょうか?」と聞かれて(笑)。
中田:きっと緒方さんに演じてほしかったんでしょうね。
緒方:「まだキャストが決まっていないので、2次オーディションにぜひ来てください」と言っていただけたことがきっかけで、シンジ役につけました。
中田:シンジ君の繊細な声と緒方さんの声が結びついて、もうそれ以外考えられないですよ。
緒方:シンジは繊細ですよね。私はもともとミュージカルの役者だったんですけど、腰を悪くして、声優に転向したんです。アニメーションの演技って、絵にあわせるために誇張しないといけないことがよくあるんですよね。「させるかよ!」も「すゎすぇるぅかぁよぉ!」みたいに(笑)。もちろん、それは大事な技術なんですけど、もっと自然に演ってみたいと思っていた。そんなとき、庵野さんに「『エヴァ』ではすべてを取り払って演技してほしい」と言われたんです。「ぼそぼそしゃべってもマイクがちゃんと拾ってくれるから」って。
中田:声を張らないですもんね、シンジは。
――中田さんは、シンジにかなり感情移入していたそうですね。
中田:過去に、シンジみたいな主人公っていなかったし、会話のトーンも珍しかった。ある世代が太宰治に感情移入するように、僕らの世代はシンジに感情移入していました。シンジは自分自身のことだと思っている人は多かったと思います。いま見ると、思春期の感情がよみがえってくるんですね。父ゲンドウに対するコンプレックスだとか、性的なことだとか。
そういえば、以前の「劇場版」でシンジがオナニーをするシーンがあったじゃないですか。あれはどうやって収録したんですか?
緒方:ははは。当たり前ですが、私にとって初めての経験でした(爆笑)。女性だからといって「間違ったらいかん!」と思って。ゲンドウ役の立木文彦さんに、「父さん、初めてだから、うまくできるかわからないんだ。間違ったら間違ってるって教えてね」(シンジの声で)って。
中田:ははは!
緒方:収録が終わったら「どうだった、父さん?」「よくやったシンジ」「やった、父さんにほめられた!」って(笑)。
中田;いやー、あのシーンは強烈に覚えているんですよ。
――やっぱり『エヴァ』の収録は大変だったんですね。
中田:大変なシーンがたくさんありますもんね。痛いシーンや苦しいシーン……特にシンジは感情がうねる役じゃないですか。
緒方:テレビシリーズのときはどうだったかな。あまりよく覚えていないんですけど、『新劇場版』は……いろいろありました。『序』で第6の使徒がエヴァ初号機に加粒子砲を放ってLCLごとシンジが沸騰してしまうシーンがありますよね。シンジは「うわあ」って叫ぶんですけど、アドリブで台本5〜6ページ分、叫び続けなくちゃいけなかったんです。
中田:そんなに叫ぶんですか?
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07月04日(土)
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