ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「ネットをやっている人間はバカになる」
『オタク論2!』(唐沢俊一・岡田斗司夫共著・創出版)より。

(「オタク」について、唐沢さんと岡田さんが雑誌『創』に連載されていた対談を単行本にまとめたものです。雑誌に掲載されたのは2008年2月・3月号で、当時岡田さんは「いいめもダイエット問題」によって批判されていました)
「いいめもダイエット問題」については、こちら(「岡田斗司夫さん、ダイエットサイト閉鎖問題で釈明」(MSN産経ニュース)を御参照ください。

【岡田斗司夫:どうしてこういうこと(「いいめもダイエット問題」についてのネット上への岡田さんへの批判)になるのか、考えてみたんです。自分がここまで叩かれなかったら、こんなに真剣に考えなかったでしょうね。その意味ではいい機会でした。わかったことはね、彼らは「反証責任は岡田にある」と思っているんですよ。つまり、「疑いがかけられた」とか「今叩かれだした」とすると、「言われた人は反論するはずだ」と。
 つまり、岡田斗司夫は叩かれた。「それじゃ岡田斗司夫のサイトを見に行こう。もし、やましいことがなかったら反論があるはずだ」「反論がないのはアイツの責任だから、叩かれても仕方がない」となる。
 これは、おもしろい思考経路だな、と思ったの。おまけに、ぼくは自分が叩かれて、自分がついこの間まで同じ思考経路をたどっているのに気がついた。ぼくも含めて、「ネットをやっている人間はバカになる」なんですよ。

唐沢俊一:確かに、一言で言うとそうなりますね。カゲキだけど(笑)。

岡田;ぼくも含めてバカ。ネットはバカの感染力を高める。こっれが本当にボクはショックで、しばらくネット断ちしたのはこれが原因なんですよ。
 ネットをやっていると、あまりに情報がたやすく手に入るから、「情報が手に入らないのは、情報を出してくれないヤツの責任だ」と思っちゃう。

唐沢:もう本能的にそう思っちゃうんですよね。「自分に不便」とか「自分の欲しい情報がない」というのは「情報を出さないヤツが悪いんだ」となる。あまりに簡単に情報が手に入ることに慣れきっちゃったせいでしょうが。

岡田:ぼくが、デビュー作からずっと書いている「自分の気持ち至上主義」というのが、ネットの側から解釈するとどうなるのか、というと、「自分がわからない、知らないのは、相手の責任だ」ということになる。例えば「わからないのは向こうの説明が下手だからだ」「情報の出し方が悪いからだ」ということになって、「テレビのバラエティー番組はこんなにわかりやすく説明してくれているじゃないか」「学者の説明はわかりにくい、だから学者は頭が悪い」という発想になる。
 これがね、ぼくにとってものすごく衝撃的な事実で、これで一冊本を書こうかと思ってる(笑)。

唐沢:とにかく彼らは、真実の追求だとか、相手の言い分がどうだとか、そういうことはどうでもよくて、とにかく「今、その情報がどのような扱われ方をしているか」にしか興味がない。そして、その扱われ方に乗ることだけを考える。

岡田:彼らは「新しいネタが欲しい」とか「新しい騒ぎが欲しい」「日頃の憂さを晴らす対象が欲しい」と言っているだけ。ぼくもこの騒ぎが起こったときに関係者からすぐ言われたのは、「一切情報を出さないのが一番いい」ということ。それは何でかっていうと、ちゃんと説明して沈静化させることより、放っておいて冷めるほうが早いから、だと。

唐沢:何か言うと、また燃料投下したことになって燃え上がっちゃう。これはまさに私が幻冬舎の法務担当者に言われたのと同じで、「言い訳したところで何もならない。法律上やるべきことをやるだけがあなたの義務で、それ以外には何にも義務はないですから」ということを再三言われましたね。

岡田:でも、ぼくがネットをやってる限りは、それを納得できない。だってぼくもブロガーの一人だから。つまり、「でもそんなこと言っても、ネットをやっている人はもう何百万人も何千万人もいる」と。「その人たちの信頼を失ったらもうダメなんじゃないか」と思ってしまう。


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05月25日(月)
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