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活字中毒R。
by じっぽ
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■『GTA(グランド・セフト・オート)3』に影響を与えた「日本ゲーム界の歴史的失敗作」
『洋ゲー通信 Airport 51』(エンターブレイン)より。

(『キラー7』や『ノーモア★ヒーローズ』など、独特な作風で知られるゲームデザイナー須田剛一氏と、謎の洋ゲー(外国メーカーのゲーム)冒険家マスク・ド・UH氏による『週刊ファミ通』の人気連載を単行本化したものの一部です)

【マスク・ド・UH:『GTA(グランド・セフト・オート)3』の自由度の高いゲーム性には、じつはモデルが存在していたんです。ロックスター(GTAの制作メーカー)の社長であるサム・ハウザー自身が「あのゲームのコンセプトはよかった」と言っているシロモノが。

須田剛一:何ですか、そのゲームは?

UH:それは……『シェンムー』です!

須田:はああああ!! 『シェンムー』があったからこそ『GTA3』は作られた……

UH:日本が誇る大作『シェンムー』と、この”公共の敵ナンバー1”とまで言われたビデオゲームがリンクするんです!ふつうに考えれば、その2タイトルに関連性はないんですが、制作者レベルで考えると、根がいっしょということになるんですね(笑)。

須田:見かたを変えれば確かに『シェンムー』には『GTA』っぽいところがありますね。そこに生活があるんですよね。誰も行かないようなアパートの裏庭まで造ってある。

UH:僕は『シェンムー』で遊んでいたとき、あの限られた自由度の中で、どれだけ無法ができるか試しました。朝からパチスロするとか、中国人には絶対にジュースをおごらないとか。ネコには必ず油揚げ(笑)。いちばん好きだったのは、フラワーショップの女の子に無言電話をかけることですね(笑)。

須田:ダハハハハ! そのプレイ最高です!

UH:そんな無法レベルが、すごくワイドになったのが『GTA3』ということですよ!

須田:急にワイドになりましたね(笑)。

UH:本当に『GTA3』は『シェンムー』に似ているんです。街を自由にウロつくことを前提にした、3Dのフルマップのゲームは、『GTA3』以前には『シェンムー』ぐらいですよ。

須田:なるほどなるほど! これはスゴい話を聞いてしまった。

UH:また『GTA3』は、日本を舞台にした、あるハリウッド映画の影響を色濃く受けているんですよ。

須田:ほぉ! そのタイトルは?

UH:『ブラックレイン』です!

須田:松田優作!!

UH:『GTA3』の舞台になるリバティシティにはヤクザが”YAKUZA”という名称で登場するんですが、この設定が『ブラックレイン』そのままなんですよ。

須田:松田優作演じる”サトウ”っぽいキャラクターも登場するということですか?

UH:そっくりではありませんが、近い雰囲気のキャラクターは登場します。サム・ハウザー社長も優作の演技を見て、「あいつは本当にスゲぇカッコいい!」と絶賛していました。

須田:ロックスターの人たちは映画が大好きですよね。いろんな映画のシークエンスをミッションやミニゲームという形で自分たちのゲームに取り入れて、それをひとつの大きなゲームとして構築するという、ちょっと特殊な制作手法をとっていますよね。自分たちの好きなテイストが”遺伝子”としてゲームに入り込んでいるという感じでしょうか。】

参考リンク(1):『シェンムー』(Wikipedia)

参考リンク(2):『GTA(グランド・セフト・オート)3』(GTA3日本語サイト)

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 たぶん今回の話は、ここをいつも読んでくださる方の8割くらいは「何それ?」という感じなのではないかと思うのですが、僕にとってはすごく印象深かったので御紹介しておきます。

 『シェンムー』というゲームが最初に発売されたのはセガのドリームキャストだったのですが、このゲームは、当時プレイステーション2に圧倒的に押されていたドリームキャストの「逆転の切り札」として開発されていたものでした。
 ところが、その「切り札」は、こだわりのあまり、開発が遅れに遅れてしまいます。ようやく全16章のうちの「第1章」が発売されたときには、すでにドリームキャスト陣営は、プレステ2に圧倒的な差をつけられてしまっていたのです。


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12月26日(金)
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