ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「『機動戦士ガンダム』は不人気で打ち切られた」という「定説」の嘘
『BSアニメ夜話 Vol.02〜機動戦士ガンダム』(キネマ旬報社)より。

(名作アニメについて、思い入れの深い業界人やファンが語り合うというNHK−BSの人気番組の「機動戦士ガンダム」の回を書籍化したものです。この回の参加者は、岡田斗司夫さん(作家・評論家)、乾貴美子さん(タレント)、北久保弘之さん(アニメ演出家・監督)、有野晋哉さん(タレント)、福井晴敏さん(作家)、小谷真理さん(評論家)、井上伸一郎さん(元アニメ雑誌編集者)、氷川竜介さん(アニメ評論家・ライター)です)

【岡田斗司夫:あの、『ガンダム』の打ち切り、あれってどうだったんですか?

氷川竜介:え〜っとね、スポンサー事情とか低視聴率とか言われているんですけど、人気はね、あったんですよ。雑誌はバカ売れしていたし、僕は放映中からレコードの仕事をやらせてもらっているんですけど、最終回の放映前に台本もらってドラマ編の構成作れと言われていましたから。それくらいレコードもバカ売れしていたし。だから、おもちゃを買う人たちに人気がないけど、いわゆる今で言うハイターゲットのところには『ガンダム』いけてるじゃん、というようなギャップの中で、放映のためのスポンサーとしては玩具が売れないから続けられない。だから人気がなくて打ち切りという説は間違いなんですよ。人気はあったんですよ。

岡田:人気はあったけれども、本来だったら、そのスポンサーとなる企業(の商品)を買い支える人たちじゃなかった?

氷川:なかったんですよ。だから、そこにターゲットを組み替えて、もう一回劇場版で勝負しようということは、テレビ版終わってすぐにチャレンジされているはずなんですよ。

井上伸一郎:主に大学生中心にね……。

氷川:そうそう。高校生、大学生くらいだったら、この話の内容を分かるでしょ、ってことで。

岡田:あの当時、同時発売していたオモチャって明らかに子供用の、メッキのパーツがいっぱい入っていたんですよね。

氷川:ガンダム、銀色だったんですよね。その頃、白じゃなくて。そこら辺でもちょっとギャップとか色々あって。

(中略。以下は各参加者が、それぞれ『ガンダム』の好きなシーンを紹介する、というコーナーでのやりとりの一部です)

乾貴美子:北久保さんはどうして、このシーンを選ばれたのですか?

北久保弘之:あの、『ガンダム』というお題で、今日呼ばれたわけですけど、基本的に「ガンダムって何?」というところで、ガンダムって結局”ガンダム”なんですよね。主役として色んなキャラクターが出てきて、色んなガンダムが作られていくわけですけども、今を持って続いている主役って誰? といったら”ガンダム”でしかない。そのガンダムが一番最初に活躍する、バシッと決まった絵を見せるという。あの顔を起こして、目が光る。あの1カットが、この延々と続いている「ガンダム」という作品の主役の位置づけを決めた、と確信しています。

岡田:いわゆる兵器としてのリアルロボットとよく言われるんですけれども、その割には昔ながらの……何だろう? 『マジンガーZ』風のお約束、全部守りますよね。

北久保:そうですよね。

岡田:あの、目が光るとかですね、ポイントポイントで。

井上:最近放送された『ガンダムSEED DESTINY』という最新作があるんですけど、その第一話でも、やっぱりザクウォーリアというのが立ち上がって同じことをやるんです。目が光って、あとブワ〜っとココ(胸)から排気煙を出して。

岡田:ガンダムのシリーズはそうでなくてはいけないという。

井上:そうそう。やっぱり、その辺のお約束は踏襲している。

有野晋哉:何か、僕、さっきの斬って止まるところあるじゃないですか。あれが、監督に一回会わしてもうて、しゃべらしてもうたときに、あそこが好きですって言ったら、「あれはね、本当は全部動かしたかったけど、当時のセル画を描いていた人が、そんな風に動くことはできへん、と言われて、で静止画になった」(と冨野監督に言われた)。

岡田:あ〜。


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09月22日(月)
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