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活字中毒R。
by じっぽ
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■スティーブ・ジョブズの「3分間で100億円を生むプレゼン」と「ホワイトボードへの異常な執着」
『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』(竹内一正著・リュウ・ブックスアステ新書)より。
【スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは、「3分間で100億円を生む」と評される。
iPodの販売総計が2200万台を突破する間、彼は3回プレゼンを行った。売上総額をプレゼン時間で割ると、3分間約100億円になるという。
世の中には多くの天才的なパフォーマーがいるが、ジョブズのように、業績や技術などに関する話に2時間も聴衆に身を乗り出させ、聞きほれさせるエンターテインメントはいない。最後には、感動のあまりのスタンディング・オベーション(総立ち拍手)が鳴りやまなくなるプレゼンは神技であり、魔法のショーである。
彼の卓越したプレゼン能力が、アップルという会社のブランド力を高めている。その力は、iPodやマッキントッシュ(マック)と同様に、最高の商品ともいえる。同時に、最高の営業交渉でもある。
たとえば1984年1月のアップル株主総会だ。
28歳のジョブズは、真っ暗な中、スポットライトに照らされて登場する。ダブルのジャケットに水玉模様の蝶ネクタイ姿で、ボブ・ディランの歌詞の一節を朗読してみせる。業績報告は社長のジョン・スカリーに譲り、再びジョブズにスポットライトが当たると、
「もう十分しゃべったよ。ここらでマッキントッシュにしゃべってもらおう」
と、組み上がったばかりの新製品マッキントッシュを鞄から取り出した。マシンは、
「コンニチワ、私はマッキントッシュです」
と合成音声で話し出す。聴衆が驚きながら見つめていると、こう続けた。
「人前で話すのは得意じゃないので、一つの定理をご紹介します。『持ち上げられないコンピュータを信ずることなかれ』です」
大型コンピュータで世界を制覇し、エクセレントカンパニーと賞賛されたIBMのパソコンが、ひどく重かったことを皮肉った意味だ。さらに、こうジョブズの紹介を行った。
「では、誇りを持って、私の父親というべき人物を紹介しましょう。スティーブ・ジョブズです」
斬新で未来的なデザインのパソコンがステージの上でしゃべり、ジョブズを紹介する。みごとな演出だ。観客はあっけにとられ、すぐに割れんばかりの拍手が会場全体に巻き起こった。そのときジョブズは伝説になった。マックは100日間で7万台もの売上を記録している。】
【ジョブズは、自分が認めるプロジェクトや人間のためには、社内の他部門から平気で予算をぶんどる。技術者が足りなければ別プロジェクトからかっさらってくる。最高の条件で最高のメンバーが最高の結果を出すようにしていった。
だから、こんなこともある。
別プロジェクトからジョブズのチームに異動が決まった技術者が、ジョブズたちの建物に引っ越そうと、机のまわりを整理していた。するとジョブズがやってくるなり、いきなりパソコンの電源を引っこ抜いた。そしてパソコンと本人をクルマに乗せて職場から連行していった。開発スケジュールが迫っていたのだ。
アップルの成長は、「だからジョブズと働きたいんだ」と思う才能豊かな連中とジョブズとの相互引力が成し遂げていたといえる。
反対にジョブズは、才能や貢献を認めていない人物が口答えでもしようものなら、導火線なしのダイナマイトとなる。期待に応えられない場合も悲惨な結果が待ち受ける。
能力がなくて首になるのであればまだましだった。なんでもないささいなことで逆鱗にふれ、社史からも名前を消された人間がいる。
ピクサーの創業メンバーであるCGの魔術師アルビー・レイ・スミスだ。
スタンフォード大学でコンピュータサイエンスの博士号を収得したアルビーは、CGを使って観客に感動を与える長編フルアニメづくりの夢を求めてピクサーの創業に関わった中心人物だ。それが、ある会議でジョブズに反論したために、ピクサーを離れることになったばかりではなく、社史からも消されることになった。
理由は実にささいなことだ。
なんとホワイトボードが原因だった。
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08月18日(月)
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