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活字中毒R。
by じっぽ
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■富樫義博さんと本宮ひろ志さん、二人の「天才マンガ家」の肖像
『サイゾー』2007年10月号(インフォバーン)の特集記事「人気マンガの罪と罰」より。

(2人の「人気マンガ家」の裏話。まず『HUNTER×HUNTER』が連載再開されたばかりの富樫義博さんについて)

【連載再開の知らせは、ファンにとって喜ばしいものだが、業界内では「8〜10週分ほど、掲載できる分量がたまったというだけで、完全復活には至らない」という見方が濃厚だ。一部のマンガ編集者の間では、「富樫を超えるマンガ家をもっと輩出しなければいけないのが『週刊少年ジャンプ』なんだから、富樫にまだ頼っている編集部はヤバいのでは?」といった、厳しい指摘もある。
「本当は、富樫さんが今『もう一度描きたい』って言っても、『今さら何言ってるんだ』と、編集部が制さなきゃならないんですよ。それなのに、連載を喜んで再開させちゃうのは、ジャンプが弱体化していることの表れですね」(元編集プロダクション社員)
 1998年から連載を開始した同作は、アニメ化もされた大ヒット作品だが、開始翌年から徐々に休載が目立つようになり、2006年にはたった4回、2007年においては、この原稿の執筆時点で、まだ1回も連載誌上に掲載されていないのだ。公式にジャンプ編集部から発表された休載理由は「体調不良」「作者都合」といったものだが、休載の間に富樫がコミックマーケットに参加していたことなどから、「編集部との確執が原因で、連載がストップしているのでは?」など、穏やかでない憶測もファンの間で囁かれてきた。
 それにしても、1年半もの休載を経ても根強いファンを持ち続ける富樫義博とは、一体どんな人物なのか?
「週刊誌のマンガ家のほとんどは、その週その週で物語を考えているものですが、富樫先生は連載開始の時点で、だいたいのプロットを作っているんです。それに、アシスタントを使うと、自分は中途半端な仕事しかしていないように思うらしく、なるべく全部自分でやろうとするタイプ。だからこそ、連載中は肉体的にも精神的にも苦しみやすいようです(マンガ関係者)。
 一方で、別の関係者は、マンガ家・富樫義博への高い評価を示している。
「富樫先生ほどの完璧主義者は、本当に珍しい。編集者の中でも、『担当になるのは嫌だけど、あの人は天才だ』って、みんな認めているくらいです。ただ、付き合うのは本当に大変だそうで、締め切り直前は24時間つきっきりで、描き上げてもらうまで一言もしゃべらず黙々と待つのもザラだとか。で、描き終わった直後に原稿を投げられて、床に散らばった原稿を拾って入稿するらしいです(苦笑)」(フリーのマンガ編集者)】

(続いて、大御所、本宮ひろ志先生の自伝『天然まんが家』を吉田豪さんが解説したもの)

【その作風同様に、むやみに熱くて素晴らしいのが、本宮ひろ志の『天然まんが家』(集英社)。「家で日本刀振りまわして、新築の仕事場は常にメチャクチャになった」とか、梶原一騎的というか、本当にデタラメなまま生きてる感じが出てますね。特に読みどころは、作品と人生がシンクロするところ。本宮先生のマンガの中で、主人公が、喧嘩の前に女と失踪するってエピソードがあるんですけど、本宮先生も連載途中で「描けない」って言って、女と失踪するんですよ。「おまえとどこかで二人だけで暮らす。全部捨てた。おまえだけだ」ってカッコよく逃避行するんですけど、でもその後すぐに「やべぇ、淋病の薬忘れてきた……」って(笑)。だから抱き合って寝たんだけど、セックスはしなかったっていう、書かなくていい話も載せる、この懐の深さがいいですね。

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10月14日(日)
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