ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■明石家さんまの「トーク番組のルール」
「日経エンタテインメント!2007.2月号」(日経BP社)の「テレビ証券 vol.83」より。
(バラエティ先読みの「企画千里眼」こと草場滋さん、マイナー銘柄発掘の「青田の貴公子」こと津田真一さん、底値買いの「ドラマ王」こと小田朋隆さんの3人の対談形式によるテレビ番組評のコーナーの一部です。明石家さんまさんの「トークへのこだわり」について)
【津田:『さんまのまんま』なんて、ゴールデンに上げようとした編成の話を断ったくらいだもんね。
小田:関西のゴールデンで30%台をたたき出していた80年代後半ごろの話か。でも、それくらい番組づくりは単純に視聴率の論理じゃない。あのとき『〜まんま』を関東でもゴールデンに上げていたら、今も番組が続いていたかどうか…。
草場:今や1000回だもんね。さんまさんが今もバラエティの第一線でいられるのは、『〜まんま』があるからといっても過言じゃない。タモリさんにとっての『タモリ倶楽部』、ダウンタウンにとっての『ガキの使い』みたいなもので、いわば「ホームグラウンド」。帰れる場所があるから他の番組も続けていられる。
小田:そう考えると、レギュラーは多いけど、その種のホームグラウンドのない爆笑問題がちょっと心配。あのたけしサンも『オールナイトニッポン』を降りてから、バラエティは一段落しちゃった感があるからね。
指南役:話は戻りますが、『さんまのまんま』が長く続いていられる要因は何でしょう?
津田:やはり、さんまサンのトークへのこだわりでしょう。絶対にテロップを入れさせない、台本を作らない、あらかじめゲストの情報は仕入れないといった、さんまサンならではのルールが一貫している。
草場:特にテロップを入れさせないのは、さんまサンのトークに対する真剣勝負の表れだね。事前に十分なネタを仕込む紳助さんとは真逆の発想だけど、それだけ予定調和じゃない、一瞬、一瞬のトークを大事にしている。また、そういう努力を一切表に見せないのも、さんまサンの魅力。
津田:数あるトーク番組のなかでも、ゲストが最も素になりやすいのが『〜まんま』と言われるくらいだからね。何せ女性ゲストが最も泣くのもこの番組(笑)。】
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僕の済んでいる地域では、長い間『さんまのまんま』をゴールデンタイムに放送していましたので、関東ではそんな夜中にやっているんだ……ということに、むしろ驚いてしまいました。
それはさておき、ここで語られている「明石屋さんまのトークへのこだわり」を読んであらためて考えてみたのですが、今の「テロップが出ない、トーク主体の(録画の)バラエティ番組」って、『さんまのまんま』と、大御所『徹子の部屋』くらいのものですよね。どのような形で出すかにはそれぞれの個性があるのでしょうが、確かに「テロップが出ない番組」のほうが、いつのまにか少数派になってしまっているのです。バラエティではないのですが、最近ではニュース番組でもちょっと言葉が聞き取りづらいくらいのお年寄りのコメントにも、テロップを全部つけてくれるという大サービスっぷり。僕があのおじいちゃんだったら、「お前の言っていることはわからない」とテレビに宣告されているようで、情けないし、悔しいだろうなあ、と思うのですが。
そもそも、お笑いのネタなどでは、芸人がそのネタをどんなふうに「自分の言葉で表現するか」というのが大事なはずです。喋りを耳で聞かせるのではなく、目で見るだけでわかるようにテロップを流されるのは、一種の「価値破壊」みたいなものではないでしょうか。「聴覚」に訴えるはずの「芸」が、「視覚が主体」にされてしまうわけですし、テロップさえ出れば、滑舌の悪さや表現力の無さも覆い隠されてしまいますし。
ただ、一視聴者としては、テロップというもののありがたさを感じることがあるのも事実なんですよね。あれが出ていれば、そんなに耳をそばだててネタを聞くことに集中しなくてもいいので、何か他のことをやりながら片手間に観るにはちょうどいいのです。「面白いところ」を番組側が指定してくれるわけですから、そこで笑っておけばいいし。まあ、「笑うところくらい、観てるほうに決めさせてくれ……」って気もしますけどね。
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01月10日(水)
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