ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■西原理恵子さんが「お父さんにいちばん感謝していること」
『西原理恵子の人生一年生2号』(小学館)より。
(「【土佐女】サイバラ初ガタリ」と題した、西原理恵子さんへの重松清さんのインタビュー記事の一部です)
【重松清:お父さんにいちばん感謝していることって、なんですか?
西原理恵子(以下「サイバラ」);高校を退学になったとき、学校を訴えさせてくれたんですよ。弁護士を用意してくれて。「おまえがどうしても納得いかないんなら、こういう方法もあるから」って。
重松:飲酒による退学処分でしたっけ。
サイバラ:そう。その前に1回停学になってるんですけど、いままでの判例だと、その次は無期停学のはずなのに、一気に飛んで退学になっちゃったんですね。その夜は、友達とスナックで飲んでて、私は先に帰ったんだけど、残った友達が教師につかまって、警察に連れていかれたんです。それが夜の9時か10時頃だったのに、夜中の2時ぐらいまで教師が4、5人で女の子たちを小突いて、トイレにも行かせないで、私の名前を言わせちゃったんですよ。教師のなかには酔ってたのもいたんで、それは親も怒りますよね。で、もう退学だ、って。裁判の調書でも嘘と悪口ばっかり。裁判は絶対に勝つと思ったけど。
重松:でも、負けちゃった……。
サイバラ:裁判はお金と力があるほうが勝つんですよ。そのとき、「ああそうか、世間ってこんなだったんだ」って。17くらいのときですからね。ても、大人と本気で喧嘩をさせてくれた父親には感謝してます。
重松:いい体験だった、と。
サイバラ:でしたねー。喧嘩腰でもちゃんとやっていかなきゃいけないんだ、っていうのを学びましたから。
重松:退学処分や裁判に対する、両親の反応の違いってありました?
サイバラ:母親は「みっともない」って言いましたね。世間体が悪い、恥ずかしい、って。やっぱ、それはすごく傷つきましたね、うん。
でも、父親はそうじゃない。絶対にそんなこと言わない。そこが男の人に対する理想になっちゃってる。最後に底が割れてても、絶対に嘘は言わないとか。もし自分がまわりに攻撃されたら、そうやって観も蓋もなくがんばってくれるというのが、やっぱりあれが理想になってる。】
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西原さんは3歳のときに実父を亡くされているので、ここに出てくる「お父さん」は、お母さんが再婚した相手である義理のお父さんです。西原さんによると、「継父だからといって苛められた記憶はまったくなくて、むしろ溺愛されたことしか覚えていない」そうなのですが。
ここで西原さんが語られている「お父さんにいちばん感謝していること」を読んで、僕はかなり驚いてしまったのです。だって、普通、女性が「父親に感謝していること」というのは「育ててくれてありがとう」とか「一緒に遊んでくれた思い出」とかじゃないかと思いますよね。でも、それが「学校を訴えさせてくれたこと」だなんて。
正直、学生時代「停学」とは縁がなかった僕は、これを読んで、「いや、そうは言っても高校生がスナックで飲酒、しかも再犯だったら、退学になってもしょうがないんじゃないの?」とも思ったのです。そんなの「無期停学」でも「退学」でも似たようなものじゃないか、とか。
ところが、この「事件」の詳細について、この本のなかの別項で、西原さんは次のように語っておられます(ロフトプラスワンでのトークイベント「西原理恵子の居酒屋煮え煮え」より)
【高校の頃、スナックで酒を飲んでて、私は先に帰っちゃったんですけど、残った3人が卒業生に通報され、学校の先生が5人ぐらいスナックに駆けつけてきたんですよ。なかには酒を飲んでいる先生もいたし。その3人の友達は、先に帰った私の名前を「言わなきゃダメだ」ってことで、先生にそのまま警察に連れて行かれていきなり取調室。だいたい取調室を貸すってのが警察もバカですよね。そこで夜中の2時くらいまで監禁したらしいんですよ。その子たちも殴られて、私の名前を言うまでトイレにも行かさなかったんですって。お酒飲んでたのに…もらしちゃいそうになって、最後、ようやく言ったの。
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12月10日(日)
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