ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
[10025797hit]
■赤川次郎さんの『セーラー服と機関銃』執筆秘話
『ダ・ヴィンチ』2006年11月号(メディアファクトリー)の長澤まさみさんと赤川次郎さんの対談記事より。
【赤川次郎:『セーラー服と機関銃』はね、なんとなく薬師丸(ひろ子)くんをイメージしながら書いていたんです。彼女が当時、14歳くらいだったのかな? 映画化が決まったときに彼女が演じることになったと知って、大変驚いた記憶があります。
長澤まさみ:そうだったんですね。私にとって『セーラー服と機関銃』は、やっぱり薬師丸ひろ子さんが機関銃をぶっ放して、「カ・イ・カ・ン」と言う、あのシーンのことしか知らなかったんです。だから、台本を読んで、なぜ薬師丸さんが機関銃を持ったのか、その意味がはじめてわかりました。「ああ、そういうことだったのか!」って。
赤川:長澤くんは長澤くんの、新しい星泉ができたと思いますよ。
長澤:そう言っていただけて、安心しました(笑)。
赤川;映画から25年も経っているので、これまで何度かちらほらとドラマ化の話もあったんですが、前のイメージが強すぎることもあって、お断りしていたんです。こういうものはプロデューサーの熱意によるところも大きいですから、今回はそれがとても感じられたことと、主役が長澤さんだということで承諾させていただきました。
長澤:ありがとうございます。
(中略)
長澤:赤川先生が『セーラー服と機関銃』をお書きになったのは……。
赤川:28年前、あなたが生まれるずっと前です(笑)。いま読んで、28年前の本なんだなあと感じるのは、公衆電話がダイヤル式なんですよね。プッシュフォンですらない。
長澤:ドラマでは、携帯電話が出てきますよ。
赤川:いまは携帯電話を持っていないと、不自然になっちゃうよね。本のなかにはダイヤルを回す指が汗ですべっちゃうシーンがあるんだけど、ある年齢の人たちには懐かしいかもしれない。
長澤:でも、高校生の女の子がやくざの親分になることも、セーラー服と機関銃の組み合わせも、いまでも十分斬新な設定ですよね。
赤川:なかなかない役かもしれませんね。コメディの要素もあるし……。
長澤:サスペンスの要素もありますもんね。いったい、どんなふうにこの物語は生まれたんですか?
赤川:最初にタイトルを決めたんです。単行本で書き下ろすことが決まっていて、編集者から「タイトルだけ先にください」と言われたんですよ。ちょうどそのまえに映画のプロデューサーの人と話をしているときに「絶対に結びつかないものをくっつけると、面白いですよ」と言われて。はじめから主人公は女子高生にしようと考えていたから、それで女子校生にいちばん縁がなさそうなものってなんだろう……と考えました。そして思いついたのが、機関銃。『セーラー服と機関銃』なら、語呂もいいな、と。
長澤:えっ? じゃあ、最初から物語の構想があったわけじゃないんですか?
赤川:ええ。タイトルからお話をつくったんですよ。
長澤:本当ですか?
赤川:タイトルの次に考えたのは、どうやって機関銃を持たせようかということでした。女子高生が機関銃を撃ちまくっても自然になるようなお話にしなくちゃいけないから、それならやくざの親分にしちゃえ、という感じで。
長澤:逆の発想で生まれたんですね。それにしても、すごい。
赤川:もともとファンタジーとして楽しんでもらえればと思っていたんです。そもそも、女の子が機関銃を撃ったりしたら、重いのと反動とでひっくり返っちゃうでしょう(笑)。
長澤:撮影のときは、もちろん本物ではなかったので、重たく見せるのに苦労しました。あと、危ないものだから大切に扱っている感じを出そうと思って……。でも、機関銃のような危険なものは世のなかにないほうがいいなあと心のなかでは考えていました。】
〜〜〜〜〜〜〜
[5]続きを読む
11月01日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る