ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「レッサーパンダを『見せ物』にしないで下さい」
共同通信の記事より。
【動物たちを野生に近い形で見せることで人気の旭山動物園(北海道旭川市)がインターネットのホームページ上で、最近の起立するレッサーパンダブームについて「解剖学的に立つことは当たり前。(飼育の)プロが短絡的に『受けること』を続けていていいのか」と疑問を投げ掛けるメッセージを掲載したことが30日、分かった。
メッセージは「レッサーパンダを『見せ物』にしないでね」との題で掲載。
「レッサーパンダは外をのぞきたい、餌をもらえるかもと立ち上がっているだけで、その行為だけを抜き取って『すごいこと』と取り上げている。あの取り上げ方は芸であり、見せ物だ」としている。】
参考リンク「旭山動物園からの緊急メッセージ」
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書いてあることは、本当に「その通り」なのでしょうし、動物の飼育を生業にしている人からすれば、ああいう形で動物が「見世物」にされるのは、悲しむべきことなのだろうと思います。それにしても、「動物園業界」なんて、そんなに広い世界でもないと思われますので、よくこんな他の動物園を批判するようなことを書いたなあ、なんてちょっと心配になってしまうくらいなんですけど。
旭山動物園は、他の動物園とは違って「動物の本来の生態になるべく近い状態を来場者に見せる」というポリシーで、北海道の旭川という厳しい立地条件にありながら(まあ、敷地面積とか環境面では「恵まれている」面もありそうなのですが)、年々来場者数を伸ばしており、いまや、全国有数の来場者数を誇る動物園になりました。ここで働く人々にとっては「動物を見世物にして、ストレスを与えたり、生態について誤解を招いてしまうこと」は、ものすごく不本意なのだと思います。結局、そういう「ブーム」は、一過性のもので、赤字に苦しむ全国の動物園にとって、本質的な経営の改善にはつながらないものでしょうし。
でも、僕はこんなふうにも思うのです。旭山動物園のメッセージは「正論」だけど、この「正論」は、所詮、「勝ち組」の余裕みたいなものではないのか、と。
なんだかね、この記事を読んでいて、あの連敗記録の馬・ハルウララのことを思い出しました。
競馬の本質は「勝つこと」であり、連敗記録を更新することではありません。考えてみれば、「連敗」なんて、馬が無事で走り続けていること以外は、恥ずかしいことに決まっています。あのときも「連敗馬にあんなに人気があるのはおかしい」という意見もたくさん出ていましたし、僕にもそんな気持ちがありました。ものすごく強い馬、たとえばダービーを無敗で制したディープインパクトが評価されるのはわかるけれど、ただ走って、負けて、を繰り返す馬に、何の評価すべき点があるのか?と。
ハルウララの場合は、たぶん、多くの人が自分の中の「ハルウララ的なもの」を投影していたのだと思うのですが……
ただ、関係者たちは、ハルウララに対して、複雑な思いを抱いているはずです。彼らは「強い馬をつくる」ために日夜努力しており、「連敗記録」なんて、目指しているはずもないし、そういう記録の「恥ずかしさ」というのは、外野である僕たちよりも「プロ」にとっては大きいものではないでしょうか。それでも、赤字が続く「地方競馬の現実」は、ハルウララという「ヒロイン」に頼らざるをえなかったのです。だって、ハルウララが出走するというだけで、レースの売り上げは大きく上昇し、高知競馬も一時的ながら黒字に転じたくらいだったのですから。たとえそれが一時的な「延命治療」であったとしても、それをやらなければすぐ死んでしまう人が、それを選択するを責められるでしょうか?
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05月31日(火)
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