ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■勝手に『国民の疑問』を捏造するな!
Asahi.comの記事より。
【読売新聞グループ本社会長の渡辺恒雄氏がガウン姿でマンション5階の自室にいるところを公道から撮影され、「週刊文春」に掲載されたことがプライバシー侵害に当たるかどうかが争われている訴訟で、原告の渡辺氏が9日、東京地裁に出廷。渡辺氏と文春側の激しい応酬となった。
問題の写真は、渡辺氏がプロ野球・巨人のオーナーを突然辞任した2日後の昨年8月15日に撮影され、同月19日発売の週刊文春に「ワンマンの末路」などの説明をつけて掲載された。
渡辺氏は「プライバシーを著しく侵害された」として昨年8月、1000万円の損害賠償などを求めて提訴。9日の法廷では「醜い姿で化け物みたい。報道のためのまともな写真とは思えない」と訴え、キャプションについても「今は最高の地位にいる。それが何で末路なのか。非常に不愉快だ」と述べた。
文春側は「渡辺氏は多くの報道陣が集まっていたと知っており、全面ガラス張りの窓際に立てば撮影されることはよくわかっていた」と主張。「写真撮影・掲載についてプライバシー権の放棄か、黙示の承諾をしていた」と渡辺氏の訴えに反論している。
これに対し、渡辺氏は法廷で「撮影されるとは思ってもみなかった」などと述べた。
文春側はさらに「『今、ナベツネはどうしているのだろう』という国民の疑問に答える形で掲載された」と写真の公共性を主張。渡辺氏がオーナー辞任後に会見せず、説明責任を果たさなかったと強調している。この点について渡辺氏は「まともな新聞社の会見なら臨むが、週刊誌やスポーツ紙などスキャンダルを追いかける記者がいる席には出ない」と語った。
法廷で文春側は、車いす姿で自宅療養中の田中角栄元首相を空撮した毎日新聞の写真が86年度の新聞協会賞を受賞したことについてどう思うかとただした。前協会長でもある渡辺氏は「プライバシー侵害であり、授賞は間違いだった」との見解を示した。】
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ナベツネさんに対して、あまり良いイメージを持っていない僕としては、「ザマーミロ」的な気持ちもなくはないのですけど、やっぱりそういう写真というのが「スクープ」として公開されるのは、ちょっとおかしいような気もします。同じ人でもいろんな姿があるでしょうし、たとえば、僕が怒った顔の写真が新聞の1面に載って、「恐ろしい人であるという記事」が書かれれば、世間では「恐ろしい人」として認知されてしまうでしょう。逆に、にこりと笑っている顔であれば「優しい人」と思われるでしょうし。
そういう意味では、メディアというのは、使い方によっては、いくらでも「こういう人」あるいは「こういう状態」というイメージを世間に植えつけることができるのです。たとえば今の「JR西日本叩き」に便乗してか、JR西日本の職員への暴言・暴力行為が急増しているそうです。「だからJR西日本は!」なんて言われても、末端の一社員もまた「被害者」であるはずなのに。
それにしても、ナベツネさんとしては、自分で告訴してはみたものの、この裁判は痛し痒し、というところなのではないでしょうか。「田中角栄元首相の空撮写真」に関しては、当時も賛否両論があったような記憶があるのですが(僕は子供心に、そこまでしなくても……と思っていました)、たぶんナベツネさんも「自分が同じ立場になって、はじめてわかった」のでしょうね。とはいえ、そういう写真には、「権力」の儚さとか「老い」のせつなさを訴えるような、そんな普遍的な力があるというのも、事実なのですけど。
「ナベツネ」をここまで有名にしたのもメディアの力なら、プライバシーすら奪ってしまうのもメディアの力。
しかしながら、「人の命がかかってるんだぞ!」と喧嘩腰で、たぶん相手を怒らせて失言を引き出すために言っているんだろうと思われる無礼な記者に憤慨している人たちが、ネット上にはたくさんいるのです。あの記者は誰かというのは、ナベツネさんの近況よりもはるかに「国民の疑問」だと思われます。
そして、今までは「こんなメディアの意向に反することを言ったら周りから叩かれるのでは…」と黙っていた人たちの「本音」は、溢れ出してきています。
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05月10日(火)
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