ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「ドン・キホーテ」の悲劇
共同通信の記事より。
【さいたま市のドン・キホーテ浦和花月店の火災で焼け跡から遺体で見つかった3人は、客の誘導や消火活動に手間取るうち、惨事に巻き込まれた可能性がある。
同店で買い物をしたことのある流通関係者によると、店内の商品は「ジャングル陳列」「圧縮陳列」と呼ばれ、天井近くまで積み上げられ、避難経路は確保しているものの見通しは悪く、「自分で見つける楽しさ」を売り物にし、通路は迷路状で商品表示もなかったという。
出火当時、店内には20数人の客が買い物中、店員やアルバイト27人が接客や商品陳列に追われていた。不明者の大島守雄さんは南東側の電気製品の担当、小石舞さんと関口舞子さんは接客担当だった。】
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お亡くなりになられた3人の御冥福をお祈りいたします。
この事件に関するニュースを朝のワイドショーで観たのですが、近所の人たちの話として「夜は深夜まで煌々と明るくてうるさかった」とか、「最初は営業時間が27時までだったけど、地域からの苦情などで26時までに短縮された」というのがありました。そういうふうに「地元の人」から考えると、「ドン・キホーテ」のような「深夜まで賑やか」な店というのは、あまり快いものとはいえないのかな、と僕はあらためて感じました。ひとりの外部からの買い物客としては、夜遅くまで開いていて、いろんなものを安く買える「ドン・キホーテ」という店は便利なのですけど、確かに、毎日そこで日用品を買うわけではない地元民からすれば、「遅くまで騒がしいし、いい迷惑」なだけなのかもしれませんね。いくらパチンコ好きな人でも、家の隣がパチンコ屋だったら、やっぱり「それとこれとは別」という話にもなるだろうし、「人気のある店」というのは、近所に迷惑駐車をするお客が増えたりして、本来の商品の質を保つ以外のところでも、苦労が絶えなかったりもするみたいです。
もちろん、だからといって「放火してもいい」なんていうことは全くありませんし、今回の連続火災が放火であるならば、責められるべきは当然その犯人なのですけど。
確かに、「ドン・キホーテ」の人気の秘密というのは、安さのほかに、この斬新な「ジャングル陳列」という方式で、「面白いものを見つける楽しみ」をお客に提供している面も大きいとは思うのです。僕も最初に入ったときには、そのあまりの雑然としたレイアウトに驚いたのですが、実は、そのレイアウトそのものが「計算づく」であるのだと聞いて、さらに驚きました。確かに、「買い物」には、そういう「掘り出し物を見つける楽しみ」というのがあって、そういうのが、どんなにネット書店で好きな本が家にいるままで買えても(しかも、安いのに)、本屋に足が向いてしまう理由なのかもしれません。とはいえ、「安全性」という面から考えると、不安があるのは事実でしょう。
「見通しが良くて、スペースが広い」ほうが、一般的には安全でしょうから。
「ドン・キホーテ」は、深夜営業とオリジナリティのある商品構成・前述した「ジャングル陳列」などの手法で、ここまで業績を拡大してきました。でも、その一方で、最初に上げたような、地域住民からの批判や近隣の商店主からの怨嗟の声もあるようです。「出るくいは打たれる」というのが世間の常としても「商売がうまくいくためには、どこまで許されるのか?」と考え始めると、外部の人間である僕にとっては、ちょっと怖いような気もしてくるのです。
最近は、24時間営業のコンビニの影響なのか、どの店も営業時間が延長されて、22時、23時は当たり前になってきました。夜遅くまで仕事がある僕にとっても便利は便利なのですが、その一方で、「ここで働いている人は、大変だろうなあ」とも感じるのです。そもそも、深夜まで開いていても、その夜の時間帯は閑散としている店だって、たくさんあるのだし。でも、そんな20年前にはなかった深夜営業が当たり前の世の中になっても、働く人間の数とか一人一人の体力は、20年前とそんなに変わっていないのではないでしょうか?
そして、夜に働く人が増えると、さらに夜に開いている店が必要になり…というふうに「人間の活動時間」というのは、どんどん広がっていく一方です。
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12月14日(火)
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