ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■浮気する遺伝子
時事通信の記事より。
【女性が浮気するのは遺伝子のせい−。英セントトマス病院の研究者らは25日までに、このような傾向を示す調査結果を公表した。人の性的行動と遺伝的要因を明確に結び付けたのは初めてで、結果は来月出版される医学誌ツイン・リサーチに掲載される。
19歳から83歳の女性の双子1600組以上を対象に、過去の性的行動について聞き取り調査を実施。その結果、浮気をしたことがあるとした人のうち「遺伝的要因による」と判断されたのは41%で、これは遺伝の影響でがんなどの病気を発症する割合より高かった。】
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こちらが、そのイギリス・セントトーマス病院のサイト(英語)なのですが、この病院はずっと「双生児の研究」をやっているところなのですね。それで、こんなふうに「双子1600組以上」という多数のサンプルを対象にできたのだなあ、と僕は感心してしまいました。それにしても、1600組ということは、少なくとも3200人以上の人を対象に、「過去の性的行動」なんてデリケートな問題を「聞き取り調査」するなんて、「本当なのか?」と思ってしまうのも事実ですが。たぶん、この病院は、そのような研究に協力してくれる双生児たちを常に多数確保し続けている、ということなのでしょうけど、ある意味「セクハラ」だしねえ。
正直、この記事から僕が受けた印象は、竹内久美子さんの遺伝子論と同レベルの「トンデモ理論」なのでは?というもので、そもそも「浮気」の定義って何なのか?とか(パートナー以外の相手とどこまで行けば「浮気」なのか?というのは、議論が分かれるところではありますよね。「精神的浮気」まで広範囲に含めるのか、それとも、「肉体的な関係」が必要条件なのか)、考えはじめたらキリがありません。「遺伝子と浮気の因果関係」というのは、おそらく「遺伝子的に近い双生児では、ひとりが浮気していれば、もうひとりも浮気している割合が高い」=「遺伝子は、浮気しやすさに影響を与える」というような理論なのではないかと僕は予想しているのですが、そういうのは、遺伝子の問題というよりは、育ってきた家庭環境とかの問題のほうが大きいのではないのかなあという気もします。双生児の場合は、2人とも比較的類似した環境で育ってきた場合が多いでしょうし。
とはいえ、誰かの子供として生きていると、自分の親の絶対にマネしたくないようなマイナス面が、やっぱり自分にも宿っていることを自覚して愕然とすることは、おそらく大部分の人が経験してきているのではないでしょうか?「家庭内暴力の被害者であった子供は、親になると自分の子供に暴力をふるってしまうことが多い」そうですし。人間って、基本的には自分が体験したり、あるいは学んだりしたことしか行動を選択できない生き物だから。「家庭環境が複雑だった」という人は、恋愛行動において、ものすごく生真面目だったり、逆に奔放だったりする人が多いような感じもしますし。
もちろん「複雑ではない、理想的な家庭」なんて現実にはほとんど存在せず、みんな、多少は問題を抱えながら生きてはいるとしても。
結局、そうやって形成された「人格」というものが、どこまで「生まれつきの遺伝子的要因」で、どこからが「環境的要因」なのかは、当の本人には客観的な判断は不可能なんですけど。
病気の中には、「遺伝子の影響」が強いものが存在します。それは医学的事実で、それに対しては、「病気になりやすい人」への生活習慣の改善をお願いすることもありますし、病気の種類によっては、「遺伝子治療」以外には道がない、とう場合もあります。
しかしながら、浮気まで「遺伝子のせい」にしてしまうのは、はたしてどうなのでしょうか?それよりなにより、万が一「浮気遺伝子」が発見されたとしても、そんなのどうしようもないのでは。「浮気遺伝子への遺伝子治療」なんて認められないでしょうし、「オレの(あるいはワタシの)浮気は、遺伝だからしょうがない」という言い訳に使われるのが関の山、ですよね。
それとも、「あなたは浮気しやすいから、くれぐれも気をつけるように」とか、「生活指導」するのだろうか。現実には「浮気者」が、それで浮気しなくてすむとも、思えないんだけどなあ…
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11月26日(金)
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