ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「傲慢な人質」と「優しい日本人」
日刊スポーツの記事より。

【15日にイラクで解放された人質の1人、高遠菜穂子さん(34)は、今後もボランティア活動を続ける意向を示した。

 バグダッドのイラクイスラム聖職者協会の事務所でアルジャジーラの取材を受け「今後も活動を続けますか?」という問いかけに対し「続けます。すごく疲れてショックなこともたくさんあるけど、イラク人のことを嫌いになれない…です」と話し、泣き崩れた。

 また、解放後、家族に電話で「今後もイラクにとどまって写真を撮りたい」と話したフリージャーナリストの郡山総一郎さん(32)は報道陣からカメラを向けられシャッターを次々と切られる状況に「(自分は写真を)撮るのが仕事なんだよな、おれは」と苦笑するシーンもあった。】

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共同通信の記事より。

【イラクで解放された日本人人質側から今後もイラクで活動したいとの希望が示されたことに対し、日本政府内で16日、不満や戸惑いの声が広がった。

 政府高官は「信じられない」と驚き、「どうしても(帰国が)嫌だと言うなら、イラクに亡命してほしい。あれだけ国費を使っているのだから損害賠償させたい気持ちだ」ときつい表現で今後の活動を控えるよう促した。

 別の政府関係者も「またイラクに戻りたいと言っているようだが、今度は政府も保護できないと言っておく必要がある」と強調。外務省幹部は「特殊な環境にいて、世間の感覚がまだ分かっていないのではないか」と冷ややかな反応をみせた。

 川口順子外相も16日午前の記者会見で「助かった命だから大事にしてほしい。退避勧告が出ている今はそういう(活動継続の)時期なのかどうか」と指摘した。

 解放された3人は帰国を拒否したり、直ちに再入国する意向を強く主張しているわけではないが、政府高官らの発言は解放による安堵(あんど)感に加え、人質事件と自衛隊撤退論が結び付けられたことへのいら立ちが背景にあるようだ。】

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 とりあえず、まず3人、無事に解放されてよかった。

 まあ、この解放された人々のリアクションというのは、「常軌を逸して」いますよね。周りからすれば「あんなに苦労して助けてあげたのに…」と思われてしまうのは、いたしかたないところでしょう。せっかくの自分たちの努力を水の泡にされてしまうような気持ちにもなるでしょう。
 「反省の色がない!」って。

 考えてみれば、解放されたばかりの3人は、自分たちが誘拐されたことによって、どんなに日本国内が騒然としていたかとか、家族も含めてバッシングの声も強かったことなども知らないのですから、多少なりとも不用心な発言になるのもやむをえない気もします。「そのくらい考えればわかるだろ!」と言ってみても、拘束された状態では自分たちのことで精一杯でしょうし、もともと「日本の世論」とかに気を遣う人たちであれば、こんな時期にイラクに行ったりしなかったでしょうし。

 ただ、僕は彼らの「またイラクで活動がしたい」という意志を「身の程知らずのバカ」と一笑に付してしまうほどの自信もないんですよね。いくら「危機意識が低い人々」であったとしても、今のイラクが危険なところだというくらいは当然理解していたはずだし。
 今回の事件の前に、僕はある雑誌(たぶん、週刊「SPA」だったと思う)で「イラクで活動している民間人」として高遠さんが取り上げられていたのを読みました。日本で自分の生きがいを見つけられなかった彼女は、イラクのストリート・チルドレンのなかに自分の安息の場所を見出して、そこで救援活動を続けていたのです。3人の「戦時下のイラク」でのああいう活動も、テレビのドキュメンタリーとかで感動的なナレーションとBGM付きで放映されれば、多くの視聴者が感動の涙を流していたのではないでしょうか。

 ロバート・キャパという有名な戦場カメラマンがいます。

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04月16日(金)
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