ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「オンリーワン」になれない、和光大学の悲劇
共同通信の記事より。

【和光大学(東京都町田市)がオウム真理教松本智津夫被告(49)=教祖名麻原彰晃、東京地裁で死刑判決を受け控訴=の三女(20)に対し、いったん入試合格を通知しながら「平穏な環境を守れない」などとして入学不許可を決めていたことが15日、分かった。
 同大の三橋修学長は「当人が学内外で特異な存在になる一方、他の学生が平穏に学ぶ機会を奪う可能性もある。苦渋の決断だが社会的批判もあり得ると思っている」と説明している。
 同大の説明などによると、三女は和光大人間関係学部を受験し、大学入試センター試験の成績でいったんは合格を通知。その後提出された家族構成などの書類から父親のことが判明したため、同大が入学許可を保留して検討していた。
 その結果同大は入学不許可を決め、12日に「現時点では諸般の事情により本学に迎えることができないという結論になった。ご寛恕(かんじょ)ください」との文書を郵送した。】

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 僕は今日の昼間に、ちょうどこのニュースをテレビで観ていたのですが、在学生の「入学拒否はおかしい」とか、「不安もあるし、仕方がない」というようなインタビューのあとに、コメンテーターが、「こんなの(入学拒否)大学として失格だ!」と憤っていたのを観て、「理想としては、そうだけどなあ…」と思いつつも、「ご寛恕ください」という文書を送った大学側の心境も、わからなくはないような気がしました。
 「学問の城」である大学は、そういう社会的に疎外された人間を差別せずに受け入れる、というのが理想なのでしょうけど。

 ちょっと下世話な話になりますが、ヤフーで調べたところ、三女さんが受験した和光大学人間関係学部というのは、全学生数が4000人足らずで、偏差値が50くらい。テレビでの報道によると、「こじんまりとしてはいるけれど、生徒の個性を活かせる教育」をモットーにしているそうです。
 でも、その「こじんまりとした大学」にとって、今回のことは、正直「降って湧いたような災難」かもしれません。インタビューに答えた生徒の一人が答えていたように(今は、オウムとは離れて元信者の世話になっているらしいのですが)、「やっぱり、不安」という気持ちになる人はいるでしょう。ただでさえ、大学時代というのは、いろいろな「仲間作り」の皮を被った宗教的なものに染まりやすい時期でもありますし。「関わらなければいい」のかもしれませんが、それでも「巻き込まれたくない」というのは、当然の心情なのではないでしょうか。

 でも、この話を聞いて、僕は「仮にこれが東大や京大、早稲田・慶応だったら、この三女さんを受け入れたのではないかなあ」と思いました。いや、これらの有名大学は、別にとりたててリベラルなところではないかもしれませんし、度量がある、というわけでもないでしょうけど。
 だって、「この三女がいるから、和光大学には行かない!」という受験生がいても、「この三女がいるから、東大には行かない!」という受験生は、まずいないと思うから。
 悲しい話ですが、和光大学がいくら個性をうたってみたところで、受験生にとっては"one of them"の大学です。「ココにしか受からない」ということがあるかもしれませんが、大部分の受験生にとっては、「和光大学に絶対行きたい!」という選び方よりは、「自分の偏差値では、このへんかな…」というような選び方をされることが多い大学でしょう。和光大学にちょっとマイナス要因があれば(オウムの教祖の娘がいる、なんて、格好の「マイナス要因」ですよね)、「じゃあ、他の大学にしようかな」と思われるだけでしょう。同じような大学は、沢山あるのですし。
 もちろん、卒業生・在校生にとっては、愛すべき母校であることは、まちがいないのですが…
 

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03月17日(水)
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