ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「学歴コンプレックス」からの卒業
毎日新聞の記事より。

【民主党の古賀潤一郎衆院議員(45)=福岡2区=の学歴詐称問題は23日、本人が米ペパーダイン大学から直接「卒業の事実はない」と確認したことで、疑惑発覚時に報道陣に語った自らの「進退問題」が焦点になった。昨年11月の総選挙で敗れた自民党の山崎拓氏(67)周辺は「これで議員辞職は必至になった」と勢いづき、民主党側は「本人が卒業したと思いこむ理由があったはずだ」と最後の望みをつなぐ。古賀氏は大学で事実確認後、報道陣に姿を見せずに立ち去った。】

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 だいたい、どうしてそんなことを確認するために、アメリカまで行く必要があったのか?なんて思うのですが。ひょっとしたら、なんとかして「卒業した」というようにしてもらえないかと、一生懸命工作していたのかもしれません。
 しかし、普通の社会人であれば、自分の出身大学と卒業したかどうかなんて、まさか忘れるはずもなく。本当に「忘れた」というレベルの記憶力であれば、国会議員としての適性には巨大な疑問符がつくでしょう。

 ただ、批判を受けるのも承知で、僕はこんなことも考えてみるのです。
 もし古賀議員が、学歴詐称疑惑が発覚した最初のときに「すみません、僕は大学を卒業できなかったのがコンプレックスで、中退ではイメージが悪くなるという強迫観念にかられて、詐称してしまいました」と告白していたら、僕自身は彼に同情してしまったのではないか、と。

 「学歴は大事」確かにそうでしょう。どこでどんな勉強をしてきたか、何に興味を持って生きてきたのか、というのは非常に大事な情報です。
 でも、そういう報道がメディアで流され、UCLAと比べると、CSULAはレベルが低い、なんて話が出てくると、僕はもう、CSULAの学生のような気分になって仕方がないのです。

 その一方で、「学歴なんて関係ないのに」という声もよく耳にします。確かに選挙に出るには、学歴は関係ありません。でも、日本で実際に議員として政治に関わっている人たちの多くは、いわゆる「有名大学」を出ているのです。それが表舞台に出てこなくても、「学閥」というのは、どこの世界にもあるわけで。
 そんなの関係ない、という人も多いでしょうし、今の日本では、かなり実力主義が台頭しているように見えます。
 でも、もしあなたがある会社の社長だとして、他が全く同じ能力の入社試験受験者が二人いて、ひとりは自分の大学の後輩、もうひとりは全く関係ない大学であれば、どちらを選ぶでしょうか?
 「人脈」というのが能力のひとつであるのは、厳然とした事実なのです。

 今回の選挙結果は、「ペパーダイン大学卒業」なんて経歴が嘘でも、とくに変わりはないと思います。それを知った人も「ペパーダイン大学?何それ?」という程度の印象しかないのではないでしょうか。残念ながら、海外の大学で一般的な日本人に「凄いなあ!」と思わせる大学名なんて、ハーバード、ケンブリッジ、オックスフォードくらいのものでしょう?
 古賀議員が「詐称」してしまったのには、たぶん彼の見栄っ張りな性格と学歴コンプレックスがあったんだろうなあ、と思うと、僕は少し彼に同情してしまうのです。そういうのって、僕にもありますから。

 彼が嘘に嘘を重ねて、どんどん自分を苦しい立場に追い詰めていくのも、なんだかとても身につまされます。傍から見たら、見苦しいだけなのに。人間性というのは、「嘘をつくこと」ではなくて、「嘘をついた後の態度」にむしろ現れるものなのかもしれません。
 古賀議員の信用は「彼が学歴詐称をしたこと」よりも、むしろその後の「往生際の悪い、嘘に嘘を重ねるような態度」で、より大きく失墜したような気がするのです。

 そして、「学歴」っていうのは、まだまだバカにできないなあ、とあらためて考えさせられました。
 というより、むしろ最近の「お受験」などをみていると、一時期よりかえって影響力は増してきている気もします。

 でも、今回の事件で、僕はひとつだけ救われた気がします。
 それは、ペパーダイン大学の対応。

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01月23日(金)
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