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活字中毒R。
by じっぽ
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■「人気マンガの続編」なんて、要らない!
毎日新聞の記事より。
【「死刑!」「八丈島のきょん!」などのギャグで70年代、一世を風靡(ふうび)した山上たつひこさんのマンガ「がきデカ」が23年ぶりに復活する。「ビッグコミック」(小学館)新年1、2号(12月25日、来年1月10日発売)に前後編「中春 こまわり君」が掲載される。
小学生だったこまわり君も38歳のサラリーマンになっている。妻と小学2年の一人息子がいて、平穏な家庭生活ではあるが、妻には理解されず、酒の席では昔のギャグの栄光を蒸し返される。悩みを抱え、哀愁ただよう中年ならぬ中春こまわり君だ。
「がきデカ」は「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に74年から80年まで連載。その後、山上さんは絵を描くのが嫌になってマンガ家を辞め、小説家になった。小説にひと区切りがつき、編集者の熱意に押されてペンを執った。マンガの道具を一からそろえるところからのスタートだった。
「僕の場合、絵を描くのが嫌なのが問題だったので、描き始める時はとても怖かった。最後の方になってようやく指先が昔の感覚を取り戻しました。単行本になるくらいは、こまわり君を描こうと思います」と山上さんは話している。】
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1971年生まれの僕にとっては、「がきデカ」は、正直なところ、あまりリアルタイムで読んだ記憶はありません。親戚の家にあった「チャンピオン」で、読んだことはあったのですが、「なんかわけがわかんなくて、気持ち悪いマンガ」というのが、当時の率直な感想でした。
体は子供なのに、顔はオッサンで警官の服を着た「こまわり君」は、なんだかいびつな印象で。
でも、この「がきデカ」というマンガは、「ギャグマンガの金字塔」として、後世にも非常に大きな影響を与えた作品(らしい)です。
現在も「週刊少年ジャンプ」で連載中の「こちら葛飾区 亀有公園前派出所」の作者、秋本治さんは、山上さんを尊敬するあまり、デビュー当初は「山止たつひこ」というペンネームを名乗っていたそうですし。
しかし、今回のこの「続編」については、僕はなんとなく残念な気持ちがします。
最近はオトナもマンガを読むのが普通になったせいか(でも、やっぱり30男に「ジャンプ」は厳しい)、僕が子供の頃に読んだ、かつての人気漫画の続編やアナザーストーリーが、続々と発表されているのです。
「キン肉マン」は「キン肉マンU世」になり、「シティーハンター」は、「エンジュル・ハート」になりました(作者によると、「エンジェル・ハート」は、続編ではなくて、アナザーストーリーだそうなのですが)。でも、前作を子供時代に読んでいた僕にとっては、キン肉スグル(先代キン肉マン)が情けなくなっていたり(確かに、前作から情けなかったかもしれないけど)、香ちゃんがアッサリ死んでしまったりするのには、かなりの抵抗があるのです。
インパクトを与えるためとはいえ、なんてことを!という感じ。
前作全体が貶められてしまったような気持ちにすらなるのです。
あの「宇宙戦艦ヤマト」みたいに、死んだ人も次回作には何の説明も無く生き返るのが定番だったらいいのかもしれませんが(それはそれで、なんか腑に落ちないけど)。
少なくとも、この記事からうかがえる、「がきデカの続編」は、昔読んでいた人たちを喜ばせるものではないような予感がします。「哀愁ただよう中春こまわり君」なんて、誰が読みたいでしょうか?
「あの人は今」で、好きだったアイドルが場末のスナックのママになっているのを見せられるようなものなのでは。
そういう「続編もの」のほうが、商業的には有利であることはわかります。でも、その続編は、過去の名作のファンをがっかりさせる可能性も高いのです。少なくとも、ちゃんと完結した作品は、そっとしておいてあげてほしい気がするんだよなあ。
まあ、今回は、「マンガを描けなくなっていた」山上さんのリハビリ的な意味あいもあるのでしょうけど。
「それなら、読まなきゃいいのに」
そう、その通りなんですよ。でも、やっぱり気になって、ついつい手にとってから「しまった…」と思うことの繰り返しなんですよね。
12月25日(木)
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