ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■ミッキーマウスの延命治療。
読売新聞の記事より。
【米連邦最高裁は15日、映画や音楽などの著作権の保護期間を20年間延長した「著作権延長法」をめぐる裁判で、延長法はアメリカの憲法に違反していないとする判断を下した。裁判では、ネット書籍の発行者らが「延長法は過去の著作物の引用を妨げ、自由な創作活動を阻むもので、憲法で保証された表現の自由を脅かす」などとして、司法省に延長法の運用をやめるよう求めていた。
1998年に成立した延長法は、従来は作者の死後50年間、企業が権利を持つ場合は作品の誕生から75年間とされていた著作権の保護期間を双方ともに20年間延長する内容だった。この結果、2003年に期限が切れる予定だったミッキーマウスの著作権(企業が保有)の保護期間が延長されることになり、延長法は別名「ミッキーマウス保護法」とも呼ばれた。一部の米メディアは、今回の判断について「ミッキーマウスの延命が最高裁からも認められた」などと伝えている。
最高裁は、著作権の保護期間の決定権は議会にあり、その議会が決めた延長法の制定自体に問題はなく、延長法の内容も表現の自由を損ねるものではないとしている。】
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「ミッキーマウス保護法」というより、「ディズニー社保護法」なんでしょうけどね。
世界でいちばん有名なキャラクターである「ミッキーマウス」のキャラクター使用料は、きっと莫大な額のはずでしょうから。
ウォルト・ディズニー社は、世界でもっとも有名なエンターテイメント企業であると同時に、世界でもっとも著作権に対してシビアな企業だといわれます。
たとえば、日本のある中学校(小学校だっかかも)の卒業制作で、生徒たちが巨大なミッキーマウスの壁画を造ったら、ディズニー社はこれに「著作権違反だ!」とクレームをつけ、壁画の絵を消させたなどという話が、まことしやかに伝わっていますし。
それに、ディズニーキャラクターは、イスラム原理主義の勢力からは、「堕落したアメリカ資本主義の象徴」として目の敵にされており、ディズニーランドがテロの標的になるという噂も流れていました。確かに、ディズニーランドは、ミッキーマウスという「偶像崇拝」の場所と彼らには思われるのかもしれません。中に入ってるのは人間だと、みんなわかっているはずなんですけどねえ。
ミッキーがいなかったら、横浜ドリームランドも潰れずに済んだかもしれないし。
話はちょっと脱線しますが、僕はこの年にして、このあいだ初めて東京ディズニーランドに行ったのです。
凍死するかと思うほど寒いし、周りは鼻にピアスとかしてる人が多くて、どうなることかと思っていたのです。でも、そんな心配をよそに、行ってみるとけっこう面白かった。
ディズニーランド内には、さまざまなディズニーキャラが(もちろんヌイグルミ)巡回していて、それぞれのキャラらしい動きを再現しています。
でも、ミッキーはイベント時以外は、「ミート・ザ・ミッキー」というアトラクションの自分の家の中にいて、ゲストは、ミッキーに会うためにその家の前で1時間とか待たされたりするわけです。
なんでヌイグルミに会うために、待たないといけないんだ!と最初は思いました。
しかしながら、待っているうちに、なんだかワクワクしてきて「待たないとミッキーに逢えない!」というのが、実は重要なんだということに、気がついたのです。やっと逢えたら、喜んで写真撮ったりして。
ヌイグルミひとつだって、精巧なものであれば、けっして安い価格ではないでしょうが、ディズニーランドの経済力をもってすれば、ミッキーマウスの一個中隊くらいを組織して、お客様を待たせないようにすることは、十分可能だと思われます(実際は、中に入る人間を養成するほうが大変なのかもしれません)。
あえてそうしないのは、露出を抑えることによって、そのキャラクターの価値が高まるということがわかっているからだと想像されます。
もし、ウォルト・ディズニー社が、目先の利益にとらわれて、キャラクターのイメージを使い捨てにしていたら(たとえば、「ご利用は計画的に」とニッコリするミッキーとか)、今まで人気が維持されることは無かったはず。
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01月17日(金)
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