ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■宮崎駿監督を悩ませた、『風の谷のナウシカ』の「3つのラストシーン」
 でも、この本を読むと、「宮崎駿のもの」だと思い込んでいた「ジブリ作品」は、けっして、宮崎駿ひとりの力で成り立っているのではないのだな、とうことがよくわかります。高畑勲監督のさまざまなエピソードも紹介されているのですが、それを読んでいると、高畑監督に比べたら、宮崎駿監督のほうが、まだ「常識人」だと感じずにはいられません。
 にもかかわらず、高畑勲という人間と一緒に仕事をすることを最も望んでいるのは、やっぱり宮崎駿監督なんですよね。そして、高畑さんは肝心なところではいつも、「宮崎駿の弱点」をしっかりサポートしているのです。
 
 もし鈴木さんがいなければ、少なくとも、ラストシーンへの違和感を宮崎駿監督に告げなかったら、『風の谷のナウシカ』は、ここまで歴史的な作品にはならなかったでしょう。どんなに優れた作品でも、ラストシーンの印象って、すごく大事ですから。
 そして、『ナウシカ』が失敗していたら、現在の「スタジオジブリ」も存在しなかったと思われます。

 もちろん、鈴木さんの力だけで「ジブリのアニメ作品」そのものを制作することはできないでしょうけど、「ジブリの作品は、宮崎駿ひとりのものではない」のです。
 
 それにしても、「いまだに宮さんはあのシーンで悩んでいる」という鈴木さんの言葉には驚かされます。売れたからいい、世間で評価されているからいい、というふうに割りきることができないのが、宮崎駿監督の「らしさ」であり、「創作者としてのプライド」なのかもしれませんね。

08月31日(日)
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