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活字中毒R。
by じっぽ
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■『FF』の生みの親、坂口博信氏が語る「『ファイナルファンタジー』との20年」
 『ドラゴンクエスト(1)』が最初にファミコンで発売されたときには、「こんな動きのないゲーム、ファミコンで遊んでいる子供たちに受け入れられるはずがない」と嘲笑する声がけっこうあったこと、そして、『ドラゴンクエスト』が大ヒットした途端に、雨後の筍のごとく、「ドラゴンクエスト風ファミコンRPG」が乱発されたこと。
 現在では、『ドラクエ』『FF』として、「日本を代表するRPGの双璧」される『FF』なのですが、このゲームが発表された当時、多くのゲーマーたちは、「ふーん、なんかちょっと絵はキレイだけど、また『ドラゴンクエスト』の二番煎じか……」という目でこのゲームを見ていたような記憶があるのです。当時の僕たちは、この手の「『ドラクエ』風RPG」に飽き飽きしながらも、そんなに頻繁に『ドラゴンクエスト』の新作が出るわけでもないので、何度も淡い期待を抱いては痛い目に遭わされていたんですよね。

 ずっと基本的なシステムや世界観に大きな変動がない『ドラクエ』に比べると、ここで坂口さんが語られているように、常に「変わってていくのが『FF』」でしたし、その「次はどんな『FF』なんだ?」という期待感が、『FF』の大きな魅力だったのです。
 『FF』に関しては、『2』や『8』など「これはちょっと……」と投げ出してしまうようなナンバリングタイトルもあったのですが、「変わっていくのが『FF』」だけに「今度は面白い『FF』の順番なのでは……」と、ついつい買い続けてしまっているような面もありましたし。

 個々のキャラクターがゲーム中に発言することがあまりなく、キャラクター作りの自由度が高かった『FF3』に比べて、今回DSでリメイク版が発売された『FF4』は、かなり「ドラマチック」である代わりに、「キャラクターが勝手に動いてドラマを進めてしまう」という印象がスーパーファミコン版発売時からあったのですけど、その理由が、『週刊少年ジャンプ』の鳥嶋さんのアドバイスにあったというのは、このインタビューではじめて知りました。おそらく、その方向転換こそが『FF』をこれだけ売れる商品にしたきっかけだったとは思うのですが、その一方で、『3』がけっこう好きだった僕には、「鳥嶋さん、余計なこと言ってくれたなあ……」という気持ちもあるんですよね。もし『3』の方向で進化していたら、その後の『FF』そして、日本のRPGは、いったいどうなっていたんだろう、と。

 この対談記事を読んでいて僕が最も印象に残ったのは、「『FF』の生みの親」である、坂口博信さん自身のことでした。
 『FF1』のときに、「ついスタッフにきびしく当たってしまい、人気がなかった」という青年が、この人気シリーズの制作に関わっていくことによって、どんどん「周りの人の意見を聞くようになっていったり、上司に感謝の気持ちを持つようになっていった」というのは、「人間として、社会人としての成長過程」そのものだったのではないか、と。

【「坂口さん、それ間違ってますよ!」って当然のように言いますね(笑)。でも、作り手はどうしても自己満足で作ることに陥りがちなので、言ってくれるほうがいいんです。僕は『FF』のまえの作品で自己満足に陥って失敗したので、開発終盤にはゲームをテストプレイするモニターをチーム内に必ず入れるようにしました。とくに、やり込み系で、言いたい放題の子を選んで。彼らが言うんですよ。「坂口さん、この場所の宝箱、カネかよ」って。ハラ立ちますよねぇ。だから、「いいじゃん、カネで」と返すと、「ダメだ、わかってないこの人」って(笑)。でも、それを聞いて直すことが大切で。】

 「『FF』の中でいちばん育った人」は、その「生みの親」である、坂口さん自身なのかもしれませんね。

12月20日(木)
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