ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「史上最高の人気プロレスラー」ゴージャス・ジョージの伝説
 昔「プロレス大好き少年」であった僕は、タイガー・ジェット・シンやアブドーラ・ザ・ブッチャーの酷い反則攻撃に心から憤り、彼ら「ヒール(悪役レスラー)」が大嫌いだったのですが、今から考えてみると、シンやブッチャーのような「悪役」がいればこそ、善玉レスラーというのは輝くものなのです。本当の「主役」は、「反則ばっかりしてまともにプロレスをやっていないように見える」悪役レスラーのほうで、彼らは、ただ強くてカッコいいだけの「善玉レスラー」よりも、はるかに「試合を創造する存在」だったのですよね。ゴージャス・ジョージの「変身」には、体格にも恵まれず、うだつの上がらないレスラー人生を送っていた男の「一発逆転のための賭け」という面もあったようで、体の大きさやルックスの良さでスターとなることを約束されているレスラーたちよりも、僕にとっては共感できる存在でもありますし。

 視聴者というのは、「応援している」選手を観たい場合だけではなく、「コイツが大嫌い」とか「負けるところを観たい」という理由でテレビのチャンネルを合わせてしまうことも少なくないわけです。亀田がダウンする姿を観るために試合中継にチャンネルを合わせ(そこで亀田がダウンしても疑惑の判定で勝ったりしてしまうのは、「煽り」としてはすごい演出なのかも)、「アンチ巨人」が「巨人が負けるところを見るために」巨人戦を観戦するというのは、けっして珍しいことではありません。

 戦後の日本のプロレス界とその周辺のメディアには、この「純エンターテインメント」の超人気レスラー、ビューティフル・ジョージは「ほとんど黙殺」されてきたようです。プロレス少年である僕は、けっこういろんなプロレス雑誌やプロレス関連本を読みましたが、ビューティフル・ジョージの名前は記憶に残っていません。当時からみても「昔のレスラー」だったからなのかもしれませんが、ビューティフル・ジョージと同世代の「史上最強のレスラー」ルー・テーズの名前は、それこそ飽きるほど聞かされてきたというのに。
 後の日本では、日本人同士でお互いの肉体を削りあうような真剣勝負(風の)『四天王プロレス』のようなものも出てきましたが、そんなふうに「アメリカン・プロレス」と日本のプロレスが違った進化を遂げてきたのには、日本のプロレス黎明期での力道山やメディアの意思が大きかったような気がします。まあ、僕もどちらかというと「真剣勝負っぽいプロレス」のほうが、ビューティフル・ジョージより好きなんですけどね。

06月27日(水)
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