ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■自衛隊を指揮した「クロネコヤマト」の被災地支援
 あの震災を受けて、たくさんの救援物資が現地に送られたのですが、いくらたくさん「モノ」があっても、それを運用する技術がなければ、ロスばかりになってしまうんですね。

 救援物資が集められた被災地の公会堂や体育館について、「中は広くていいんですが、出入り口が狭いんです。救援物資はどんどん来るから、どんどんそこに入れられていく。そうするともう、最初に入れられた荷物は出せなくなる」というのは、言われてみれば、確かにそうだよなあ、と。
そのため、「後入れ先出し」になってしまって、最初に運び込まれた物資は、ずっと死蔵されることになります。
そういう物資をうまくコントロールするのは、まさに「クロネコヤマトのお家芸」なんだよなあ、と。
もちろん、いざというときのために、公務員にそういうスキルがあれば、それに超したことはないのでしょうけど、現実的には、そこまで要求するのは難しいだろうし、その専門家を常に雇っておけるほどの余裕もないでしょう。

それにしても、その運用を、わずか2日間で円滑にした、「クロネコヤマト」のロジスティックス(物流・資材調達)の専門家たちはすごい。
日頃、あれだけ多くの宅急便の荷物を管理することにより、莫大なノウハウが蓄積されているのですね。
「専門家」が介入するだけで、こんなに違うものなのか……
そして、その必要性にいちはやく気づき、協力を申し出て、自衛隊もその指示に従ったということも。

「支援」といっても、いろんな形でのやりかたがあって、モノを送るだけでは、なかなかうまくいかないところもあるのだなあ、とあらためて考えさせられる話でした。
お金やモノ以外にも、自分が日常的にやっている仕事が、被災地への「支援」に役立つことって、まだまだあるんじゃないかな。

06月13日(水)
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