ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「正しさ」への同調圧力によって、「正しい」ことをするべきではありません。
 あなたたちには、いま、なにかをしなければならない理由はありません。その「時期」が来たら、なにかをしてください。その時は、できるなら、納得ができず、同調圧力で心が折れそうになっている、もっと若い人たちの分も、してあげてください。共同体の意味はそこにしかありません。
 「正しさ」とは「公」のことです。「公」は間違いを知りません。けれど、わたしたちはいつも間違います。しかし、間違いの他に、わたしたちを成長させてくれるものはないのです。いま、あなたたちが、迷っているのは、「公」と「私」に関する、永遠の問いなのです。
 最後に、あなたたちに感謝の言葉を捧げたいと思います。あなたたちを教えることは、わたしにとって大きな経験でした。あなたたちがわたしから得たものより、わたしがあなたたちから得たものの方がずっと大きかったのです。ほんとうに、ありがとう。
 あなたたちの前には、あなたたちの、ほんとうの戦場が広がっています。あなたを襲う「津波」や「地震」と、戦ってください。挫けずに。さようなら、善い人生を。】

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 あれから、1年と少しが経ちました。
 れは、東日本大震災によって卒業式がなくなってしまった明治学院大学国際学部の卒業生たちに、高橋さんが贈ったものです。
 今日は「ホワイトデー」なのですが、そういえば、去年は「ホワイトデー」なんてやってていいのか?とか思いながらも、結局「お返し」をしていたのを思い出しました。
 今年は、被災地以外では、震災前の「例年通り」卒業式が行われているようです。

 あのときは、「世の中がこんな状況では、卒業式ができなくてもしょうがない」と、僕は考えていました。
 でも、いまから考えると、直接被害を受けた地域以外で「自粛」されたのが正しかったのかどうか、あまり自信が持てないのです。

 あれから1年が経っても、「正しさ」をめぐる争いに、決着はついていません。
 原発反対派と維持派、放射線の影響に対する議論など、「自分の正しさ」を主張し、「間違っている人たち」を打ちのめそうとする人が大勢います。
 その議論が、本当に「みんなを幸せにするため」ならば、どこかに「落としどころ」があるはずなのに、むしろ、お互いの距離は広がっていく一方のようにすら思われます。

 東日本大震災は、これまで40年生きてきた僕にとっては、まさに「未曾有の」ものでした。
 でも、人間の歴史、少なくとも、記録に残っている歴史だけからみても、同じような「悲劇」を人間はたくさん経験してきました。
 そして、【人々は今回と同じように、時には美しいことばで、「不謹慎」や「非国民」や「反動」を排撃し、「正しさ」への同調を熱狂的に主張した】のです。

 うまく言えないけれど、僕にも、その「時期」が来ているのだと感じています。
 だから、できることは、やろうと思う。
 でもね、やりたくない人、できない人は、無理してやることはないのです。
 そういう世の中であリ続けることは、すごく大事なことだから。

03月14日(水)
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