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活字中毒R。
by じっぽ
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■日本の出版業界が陥っている「本のニセ金化」という無間地獄
近年ずっと「本が売れない」と言われているにもかかわらず、「出版点数が増えている」ことには、こんな理由があったんですね。この話を読むと、こんな「赤字国債の積み重ね」みたいな自転車操業で、よく今まで出版社や書店は生きのびてきたものだなあ、と感心してしまうくらいです。まあ、こういう体質は、出版業界に限ったことではないのかもしれませんが。
ただ、本が書店の買い切り制になってしまい、「無駄にたくさんの本が書店に送り込まれるようなことはなく、書店が必要する本だけが注文され、出版社から書店に送られるようになる」と、「売れる本」「売れそうな本」ばかりが書店に積み上げられるようになるようにも思われます。
書店側としては、「委託性」だからこそ、「万人向けではないけれど、こういう本を好きな人もいるはず」ということで、棚に並べられる場合もありそうですよね。日本の一般的な書店が、ベストセラー中心ながらも、それなりにバリエーションのある品ぞろえができるのは、この制度のおかげなのでしょう。
海外の書店は、同じようなペーパーバックが並んでいて本の種類が少なかったり、特定のジャンルの専門書だけを追求していたりするところが多くて、僕のような「雑食系」にとっては、あんまり楽しくないんですよね。
そもそも、「これは出版すべき本なのか?」というのを、誰が決められるのでしょうか?
「こんなのを刷るなんて、資源の無駄!」と言いたくなるような本は僕にだって少なからずありますが、その本だって、他の誰かにとっては「心に残る一冊」になるかもしれない。
それでも、いまの世の中には、「とにかくたくさん出して、書い手が価値を判断すればいいじゃないか」というほどの余裕がないのも事実でしょうし、こんな「本のニセ金化」を続けていけば、いつか出版業界が破綻するのは目に見えています。実際に、末端の小型〜中型書店は、バタバタと潰れていっていますし。
どこかで歯止めをかけなければいけないのだろうけど、こういう「負のスパイラル」に陥ってしまうと、「立ち止まれば潰れるしかないから、行けるところまでこのまま行く」しかない。
こんな状況で、いつまでもつのか……「本」は無くならないと信じたいのですが、近い将来に、劇的な変化が起こる可能性は十分ありそうです。
05月22日(土)
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