ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■バンダイナムコ・石川祝男社長の「ゲームメーカーの社長の仕事」
ある取材の折、石川さんが本社の入り口で建物を振り返ってつぶやいた。「ここに立つと会社が全部見える。これだけの社員の人生を預かっていると思うと、いつも身震いがするんだよ」。石川さんはサラリーマン出身の社長でありながら、まるで創業者のようにバンダイナムコゲームスを愛した。
一方で、経営者としての石川さんが市場に注ぐまなざしは、冷静だった。自社開発陣の成長と市場バランスを常に考えていた。
「作ったゲームソフトが売れるに越したことはない。ただ、何でもミリオンセラーになることはありえない。だから、畑は2つ持たなければならない。ひとつは、ミリオンもしくはハーフミリオンが狙えるソフト畑。もうひとつは10万本クラススタートの『明日のミリオンセラーソフト』畑。ミリオンセラー系ソフトは常に必要だけど、後者の畑がなければ良質なヒットサイクルは生まれない。そして、両方の畑を大切にすることが、開発者を大切にすることにつながるんだよ」
時には、開発者と直接やり合うこともあったらしいが、それは石川さんの開発者としての経験がそうさせたのかもしれない。】
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ちなみに、この方が石川祝男さんです。
石川社長、僕はこのコラムを読む前に、テレビに出演されているのを何度がみかけたことがあるのです。
CSの名物番組『ゲームセンターCX』に、バンダイナムコがこの番組のゲームを発売していることもあり、何度か出演し、有野課長と絡んだりされていたんですよね。
リンク先の写真の石川社長は、真面目そうでやや強面ですが、僕がテレビで観たときの石川社長は、本当にずっとニコニコされていて、すごく柔和な感じの人でした。バンダイナムコという大会社の社長には、ちょっと見えないくらい親しみやすそうな人、という印象。有野さんにもけっこうイジられていましたし。
正直、任天堂の岩田社長や宮本さんのような「カリスマ」と比べると、どこにでもいそうなおじさんにしか見えなかった石川社長。開発者としての実績も、もちろん立派なものではあるけれども、「世界的にすごく有名」とまではいきません。
『ワニワニパニック』も、「もぐらたたき」という既成のゲームの「タテのものをヨコにしただけ」ではありますよね。
しかしながら、そのゲームを「製品化」するために、「段ボールとスリッパで作った試作品で、BGMは自分で歌いながら部長に棒で叩かせた」とか、「『ワニワニパニック』にお客さんが100円を入れて遊んでくれているのを見て泣いてしまった」というエピソードには、石川社長の「人間くささ」と「ゲーム作りへの情熱」がこもっています。
石川社長自身は「天才的なひらめきを持つ開発者」ではないのかもしれませんが、だからこそ、周りの人たちの気持ちが理解できるし、自分が中心になって引っ張るよりも、裏方としてみんなが働きやすい環境をつくろうとされているように思われます。
実際は、ナムコとバンダイという大企業同士の合併直後にトップとしてやっていくというのは、ここで紹介されているような、ほのぼのとした話ばかりではなかったのでしょうけど。
そして、大事なことは、石川社長は、けっして甘くて優しいだけの経営者ではない、ということです。
「畑を2つ持つ」という発想には、長年ゲーム業界の第一線でやってきた石川社長の「ヒットするゲームを生み出し続けるためのノウハウ」が反映されていますし、その一方で、『明日のミリオンセラーソフト畑』ですら、10万本クラスの結果を求めるというのは、けっして低いハードルではありません。いまは、一部の大ヒットゲームを除くと、「売れないゲームは徹底的に売れない時代」でもありますから。
、このコラムを読んで、僕は「この人の下で働いてみたいなあ」と思いました。
世間でもてはやされる「その人自身が強い輝きを放つカリスマ経営者」は確かに魅力的で、それに比べると、石川社長は、「泥臭い、いかにも日本的なトップ」なのでしょう。
でも、こんな時代だからこそ、石川社長のような人の下で働きたい、と感じる人は、けっして少なくないはず。
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12月22日(火)
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