ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
[10025301hit]

■「ネットをやっている人間はバカになる」
唐沢:その恐怖はすごくありますね。逆に書き込む方は、相手のその感覚を利用して、まるで世間全体がこっちのバックについている、というような書き方をするのが常です。匿名性というのは逆に、その匿名氏がありとあらゆるところに存在するかのような錯覚を起こさせますから。

岡田:ところがですね、ぼくがネットとの距離を置いた瞬間にわかったんですけれど、今、ブロガーと呼ばれているブログを書いている人たちと一般のネットをやっている人たちの間に、温度差がすごくある。
 これが今回考えた仮説なんですけれど、5年前まではネットは世界の先端だったわけです。つまり、ネットで起こることはいつか世界でも起こって、ネットで話されていることが何年かして世間で話されている。だから、ネット住民たちはネットが世界で最先端だと思っている。この癖が10年くらい続いている、この5年くらいは思考が完全にそうなっているんだけれど。
 だけど、それが最近そうでなくなってきた。そもそも、ネットが先進性を持っていたのは、いわゆるニフティのパソコン通信が最初だと思う。それが「ネットによると」という言葉をマスコミが使うようになってきたのは3年から5年前。それで、その先進性が危うくなってきたのは2007年の夏。「セカンドライフ」が日本では流行らなかった。つまり、ネットというのは世界の中の先進的な場所ではなく、「熱心なブロガー」がいるだけで、もしかして現実社会にあまり反映されないかもしれない。去年の夏くらいから「ネットでの検索1位」というのがあまりCMとか広告に使われなくなった。「続きはネットでね」みたいなCMも増えているんだけれど、それに対する批判も増えてきた。
 今たぶん、ブロガーみたいな形で、意見を言ったり聞いたりするためにネットをやっている人よりも、通販とかオンラインチケット購入とか、ホテルの予約とかにネットを使っている人が増えている。

唐沢:そっちの利用が多いでしょうね。私なんかも今、ネットをつなぐ動機はまず、通販利用だもの。】

〜〜〜〜〜〜〜

 この対談を読みながら、僕は数ヶ月前に、20代前半の職場の女性3名と飲み会で話したときのことを思い出しました。
 「田舎だと、欲しい服や本もすぐには買えないし……」と言う彼女たちに、「でも、今はAmazonとかがあるから、そんなに不自由しないんじゃない?」と僕が答えると、「えっ、アマゾンって、ジャングルの……?」と彼女たちは腑に落ちない表情になったのです。
 その場にいた、コンピューター好きの30代男子たちは「えっ、本当に知らないの?」と驚愕してしまったのですが、やっぱりそれはお芝居や冗談ではなかったみたい。
 彼女たちの名誉のために言っておきますが、確かに地方都市在住で仕事に追われている病院のスタッフですけど、僕からみると、「ごく普通の(あるいは、ちょっと真面目な部類の)若い女性」でも、こんなものなのです。
 「ネット通販」は一般的な買い物のやりかたになってきてはいるけれども、だからといって、「そういう買い物のしかたなんて知らない、あるいは信用できないと考えている人」は、けっして少なくないようです。
 「いくらなんでもAmazonくらいは……」なんていうのは、「ネットのヘビーユーザーの視点」でしかありません。

 インターネットが一般的になりはじめた10年くらい前は、それこそ、もっと「ネットだらけの世界」になるのではないか、という予感がありました。ブログブームのときなどは、名刺代わりに「1人1ブログ」になるのではないかと思っていたのです(「mixi」あたりは、それに近いものになっているのかもしれませんが、実際は「ちゃんとmixiを活用している人」というのはそんなに多くはなさそうです。僕は日常生活において、「マイミクになりませんか?」なんて知り合いに誘われたことないし(モテないから、なのかな……)


[5]続きを読む

05月25日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る