ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「神舟7号映像捏造疑惑」と「他人を笑いものにしているつもりの人間」の脆さ
いや、「絶対に薬なんて飲まない」というのなら、それはひとつの人生観としてこちらも尊重しなければならないのだろうな、と思うのですが、「病院の薬は副作用があるからイヤ、副作用のない○○っていう健康食品で治療します」という人がけっこういるのです。
われわれからすると、そういう「何が入っているかもわからないし、効果が客観的・統計的に分析されているわけでもない『自然食品』」と、ちゃんと治験が行われ、安全性・効果についてもひととおり評価された上で認可された「病院の薬」とでは、どちらが「安全」で「効果的」かなんて自明の理のはずなのですが……
こういう患者さんたちというのは、たいがい、「病院は薬漬けにして儲けようとしている」とか「隣の××さんは副作用でひどい目に遭った」という話をされます。
そして、彼らは一様に「病院や医者には、騙されないぞ!自分は『本当に効く薬』を知っているんだ」と考えているのです。
そんなに効果がある薬であれば、資本主義社会では、すぐに大手製薬メーカーが商品化するに決まっています。そうならないのは、「効かない(効く可能性がものすごく低い)」か「安全性に欠ける」などの欠陥があるからなのに。
僕もこの「神舟7号映像捏造疑惑」の話はネットで目にしていましたが、正直、「ああ、また中国か……」というくらいの感想しかなかったんですよね。中国非難の書き込みをすることはなかったけれども、「真相」を追求するほどの興味も誠意もありませんでした。
僕自身は、こうしてネットで「批判する」こともありますし、「批判される」こともあります。
そういう場合に、いつも、自分が「責める側」にまわったときは、「責められているとき」よりも油断してしまうものなのだな、ということを痛感します。
この「神舟7号」で「尻馬に乗って」中国批判をした人たちは(まあ、中国にはそんなふうに疑われてもしょうがない「既往」があったのも事実なんですが)、「中国には騙されないぞ!」「自分たちは『真実』を知っているんだ!」と一気呵成に声をあげました。
そして、結果的にネットという公的な場所で、「自分の無知をさらけだしてしまった」のです。
「みんながそう言っているから」という理由で、自分で検証もせずに(それこそ、ネットが使える環境にあれば、検証することはそんなに難しくないはずなのに)、あるいは、批判する対象を自分で直接見て理解しようともせずに、叩いたり、あざ笑ったりするような人が、世の中にはたくさんいます。
そういう人の多くは、「自分は『隠された真実』を知っている」と思いこんでいて、他者を「そんなことも知らないバカ」だとみなしているのです。
もし自分が騙されたら、それは「自分の怠惰」ではなくて、「タチの悪い相手のせい」。
もちろん、騙す側が悪いのですが、そういう姿勢でいるかぎり、その人は、これからも騙され続けることでしょう。だって、「自分が信じたいものしか信じない」のだから。
ネットでの検索レベルでも、関連サイトを3〜5ヶ所くらいみて回れば、たいがいの「嘘」や「思い込み」はわかるはず。
ところが、それをやっている人は、本当にごくごく少数です。
この話、僕自身にとってもすごく耳に痛かったし(僕もいままで「めんどくさいから」十分な検証もせずに批判的なことを書くことがあったので)、あらためて気をつけなければならないな、と感じています。
これは、「マナーの話」だけじゃなくて、「自分の身を守ること」にもつながってくる話なので。
人は、「わからない」から騙されることばかりではなく、「自分だけはわかっていると過信しているから」騙されることも多いのですよね。
「マスコミは信じられない!」という人が、誰が書いたのかわからないような、匿名掲示板の書き込みを「隠された真実」だと思いこむのは、ものすごく変なことです。
にもかかわらず、そんな怪しげな場所で「自分は真偽を見抜ける」という根拠のない自信を持っている人が、ものすごくたくさんいます。
それが、ネットの世界。
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03月26日(木)
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