ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■本物の科学者は「現代の科学では説明できない」とは言わない。
ここで松井先生が仰っておられることは、たしかに正論だと思います。「と学会」が採り上げる「トンデモ本」というのが一時期話題になり、「相対性理論は間違っている!」と叫んでいる「自称天才物理学者」が、「と学会」に嘲笑されていました。
僕も彼の「アインシュタインは間違っている!」「こんなことに気付かないなんて、現代の物理学者は無能!」という「非科学的な理論」をさんざんバカにしながら紹介記事を読んでいたのですが、物理学に疎い僕にとっては、「彼の理論のどこが間違っているのかは(「と学会」の人たちの解説がなければ)、自力では全くわからない」のですよね本当は。そもそも、「と学会」の人たちの「間違っている理由の科学的な説明」というのも、正確に理解できているのかは怪しいものです。
それでも、僕はつい、その「わかっていない似非科学者」を嘲笑ってしまう。「と学会」の人たちが嘘をついている可能性だってあるのにね。
まあ、そこまで言い始めたらキリがなくなってしまうので、結局のところ、発言者の社会的な信用度とかで判断するしかないのでしょうけど。
患者さんや御家族への病状説明でも、「基本的な医学知識を持たない人(肝臓って1個しかないの?とかいう人)」に病気について、医者が理解しているように「わかってもらう」のは、きわめて難しい。
実際は、完璧な理解ではなくても、おおまかなところを噛み砕いて説明して「この説明している医者は、少なくとも嘘をついたり、悪いことをしようとする人間ではない」ということだけでも伝わればいいなあ」という感じでお話をすることも多いのです。
この引用部の後半では、松井先生は、もう少しわかりやすく、
【すべてに関して「科学的にわかりません」ということはない。どんな場合でも「ここまではわかっているけど、ここから先はわかりません」という言い方をすべきなのに、もし「いっさい科学的にわからない」という科学者がいたとしたら、その人の言葉が足りないんです】
と仰っておられます。
その物事に対して、本当に「科学的に」アプローチしているのならば、たとえ「わからない」場合でも、「ここまではわかっている」「ここからはわからない」という境界を明示することができる、ということのようなのです。逆に、「科学者」というのは、「科学的に」なんていう曖昧な表現を許さない人々だといえるかもしれません。
もし、あなたが「現代の科学では説明できない」ものを信じさせられようとしたり、売りつけられそうになったりしたときには、こんなふうに言い返すと良いでしょう。
「じゃあ、『どこからが『現代の科学では説明できない』のか教えてください」って。
まあ、実際はそうやって討論するより、さっさと逃げちゃったほうが手っ取り早いし安全なことが多いので、あまりオススメはできませんが。
11月17日(月)
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