ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「『機動戦士ガンダム』は不人気で打ち切られた」という「定説」の嘘
有野:そうなんすか? 全部、その……一話でガンダムが動いているのも、実際、スポンサーである玩具会社が、その「一話で動かさんとロボットアニメ、ちゃうやないか」と言われて無理矢理動かして、後から”ニュータイプ”とか考えた、って。けっこうショックなこと、いっぱい言われましたよ。

乾:(笑)。

岡田:『ガンダム』は当時の日本サンライズ……制作の会社は本当に弱体で、もう週に1本のテレビシリーズでアニメを作るなんて、とても無理無理というところに、冨野さんがやりたいこと、夢とかをだーっと持ち込んだもので、だから色んなところがギクシャクして無理が出ている。その分、すごい良いは良いんですけど、本当は富野さんの中では一話はもっと動いているんだろうと思うし。モビルスーツのデザインも後半出てくる奴はもっとかっこいいんだと思うし。

有野:ガンタンクは「だから入ったんですよ」という話を……(富野さんがされて)。当時のプラモデルが戦車ばっかりだったから。キャタピラがついている奴を出さなあかん、って言われて、ガンタンクが出来た。

岡田:最初、富野さんはガンキャノンくらいを主役にしたかったんだけれども、ガンダムに……もっと格好良くしろと言われて、やっぱりそこで曲がる。次に真っ白いロボットを出したい。主人公ロボットを本当に上から白いままでやっていくと、メーカーが途中で、やっぱり赤とか黄色とか入れろ、と言ってきた。なので安彦(良和、「ガンダム」のキャラクターデザイン担当)さんが「わかりました。入れればいいんですね」と、ここら辺(腹の辺り)にちょいちょいと赤と黄色を入れると、あっという間に三色っぽく見えたとか、色んなのが氷川さんが書かれた本には出ているんですよ(笑)。

氷川:また、そんなことを……僕はそんな「ちょいちょいと」なんて言ってないですよ。……ちなみにガンダムの色というのは、安彦さんが頭から足まで決めたのは間違いないです。でも、それは玩具メーカーというよりは、企画部門に対しての綱引きで、やっぱり三原色入んないと子供にウケないという、それまでのマーケティングリサーチに基づくセオリーがあったからです。それに反発した安彦さんが一晩持って帰って、自宅にあったセル絵の具で、白をメインに塗りなおしたっていう話は聞きました。明らかにちょいちょいじゃないですよね(笑)。

一同:(笑)。】

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 『機動戦士ガンダム』は初回放送時、人気がなくて打ち切りになった、という話は、ひとつの「歴史的事実」となっているように思われるのですが、当時『ガンダム』にかかわっていた人たちによると、『ガンダム』という作品は、リアルタイムでもかなり人気があったみたいです。
 しかしながら、ここで紹介されている関係者の話によると、その人気があった世代が高校生〜大学生で、玩具の売上につながらなかったため、スポンサーとしては番組を続けることを望まなかった、というのが事実のようです。
 まあ、いくらレコードやアニメ雑誌といった「関連商品」が大ヒットして、高校生や大学生に大ウケしていても、自社の商品の売り上げにつながらなければ、スポンサーとしては「やってられない」というのもよくわかります。
 結果的には、その後の映画化や再放送によって『ガンダム』はより幅広い層に受け入れられることになり、スポンサーも「ガンプラ」と呼ばれておもちゃ売場に大行列を作ったプラモデル等の商品で大儲けすることになったのですが、当時としては「俺たちが金を出した作品で、他所の連中ばっかり儲けやがって!」というのが、スポンサーサイドの本音だったのかもしれません。
 テレビ番組である以上、作品としての評価だけではなく、スポンサーにとってのメリットの有無というのは、非常に重要なポイントになるのです。

 そして、ストーリーやキャラクターデザインにおいても、「マーケティングリサーチ」だとか「スポンサーの意向」がかなり反映されているということがわかります。

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09月22日(月)
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