ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「十人のうち九人まで汚職している環境で一人だけ清潔なら、どうなると思う?」
なんだか日本のフリーターみたい……。北京の公務員も給与自体は大卒で500元!これに表からは見えにくい手当をつけるのはどこの国も同じだが、食事、住居、期末、無欠勤、祝日(大休暇前)、旅行、スポーツジム手当!
公務員が比較的高給とされる上海では、手当を含めると普通の大卒一年目で月平均6000元(9万円)近くいく職もある。受かるには上海戸籍が要る。まあ国家主席胡錦濤の給与も、公式基本給だけだと3146元(約4万7000円)である。
公務員全部に十分な賃金を払うことができないから、「先富起来(豊かになれるものから豊かになれ)」って、つまり賄賂実力主義だったのかもしれない……。
学校上げての賄賂、寄付要求も、それがないと学校経営がなりたたない面もある。
「なぜ改革は成功しなかったの?」
「そりゃ、ムリだ。一番権利が集中しているのが国家主席の胡錦濤だ。彼は軍隊と政府と権限を全部握っているが、そうじゃなきゃたちどころに引きずりおろされるのが中国という国だ」
うーむ。中国! 毛沢東もそうだったもんな。】
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これを読んでいると、中国という国は、いまの日本人にとっては「やりづらい国」だろうなあ、と考えずにはいられません。そう言いながらも、日本の企業にとっては中国は重要な生産拠点であり、また、貿易相手でもあるのですから、現場での苦労がしのばれるというものです。
日本でも大分県の教育委員会での汚職が大きな問題となっていますが、同じことが中国で起こったとしても、たぶん、こんなに大きな問題にはならなかったのではないでしょうか。
というか、あのニュースを中国の人たちが聞いたら、「えっ、それのどこが問題なの?」感じたかも。
十人のうち九人まで汚職している環境で一人だけ清潔ならどうなるか?
谷崎さんは、その問いに対して、こんなふうに答えておられます。
「もちろん九人から陥れられる」
ものすごく理不尽な気がするし、現代の日本で生活している僕にとっては腹立たしくさえあるのですけど、そういう環境だったら、たしかに、危険分子として「残りの九人から陥れられる」のではないかと思います。
そういう状況のなかで、ひとりで「非常識な正義」を貫いていくというのは、かなり難しいことですよね。そもそも、周りは、それを「悪いこと」だとすら考えていないのだから、「賄賂を受け取らない人」は「正義の人」ではなくて、単なる「変人」扱いされるのがオチです。
公務員の給与が「賄賂をもらうこと」前提で設定されているのですから、ここまでくると、日本人的な感覚の「賄賂」とは別物として考えざるをえないのかもしれません。
しかし、中国という国のなかで、最高の知識階級であるはずの北京大学の学生たちでさえこんな感じなのですから、そりゃあ、世間一般の公務員たちの意識は「推して知るべし」かと。
これを読んでいると、なんのかんの言っても、日本というのはかなり「清廉な国」なのではないかと思われます。
そして、これが現状では、中国という国が真の「発展」をしていくのには、まだまだ時間がかかりそうです。
07月27日(日)
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