ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■部下の「致命的なケアレスミス」を救った「理想の上司」
原田さんたちが造った機械の現物は壊れてしまっているし、自分で動作確認をしたわけでもない。部下が嘘をつくとは思わなくても、「本当に完成していたのかどうか?」「もう一度同じように造ったとしても、ちゃんと動くかどうか?」と不安になるのがむしろ自然なはずです。実際に同じものを造ってみたら、別の問題点が発生する可能性も十分あります。
その状態でプレゼンをするというのは、よほど部下を信頼していなければできない決断だったでしょうし、壊れたプロトタイプ」を使ってのプレゼンというのは、かなり大変だったはずです。
もちろん、このプロジェクトに有力な競合者がいなかった(のだろうと思われます、たぶん)、という「運」の要素もあったのですよね。そりゃあ、いくら部下思いの課長であっても、競合他社が実際に動く機械を持ってきてちゃんとプレゼンをしてくれば、みんなそっちを選ぶだろうし。
この「答え」だけ読めば、「部下思いの素晴らしい上司の話」なのですが、土壇場になってこういう決断ができたのは、やはり、日頃の信頼関係と、この課長の「思い切りの良さと切り替えの早さ」そして「合理性」のたまものだったのでしょう。部下の信頼を得られたという意味でも、まさに「最良の選択」だったわけです。
この決断、あくまでも「能力的にも人間的にも信頼できる部下に恵まれている場合」限定ではあるので、「普通の部下を持つ普通の上司」にとっては、素直にプレゼンで「ここまでしか完成していません」って状況を話してしまったほうが賢明な気はしますが、少なくとも、「取り返しのつかない場面だからこそ、相手のこれまでの努力を評価し、労ってあげるべき」だということは覚えておいて損はないと思います。
僕も「怒ってもどうしようもない場面」で、けっこう自分を抑えられなくなってしまいがちなのですが、どうせ結果が同じなら、わざわざ相手に恨まれたり嫌われたりする必要はないんですよね。
03月24日(月)
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