ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「イギリスのユーモアの特徴は何だ?」
僕は正直なところ「イギリス人のユーモアのセンス」というのは今ひとつ理解できないところがありますし(『Mr. ビーン』とか、どこが面白いのかよくわからないです)、【第二次世界大戦中にヒトラーが英仏海峡を封鎖したときも、イギリスの新聞は見出しに「ヨーロッパ大陸が孤立した」と書いたんです。孤立したのはイギリスなんですけど】という話に対しても、これって一種の「大本営発表」みたいなもので、結果的にイギリスが戦争に勝ったから「笑い話」になっているだけなのではないかなあ、という気もするのです。
まあ、書かれている内容は嘘ではないので、少なくとも多くのイギリス人は「実情」を知りながらも苦笑していたのでしょう。そして、そういう「余裕」こそが、イギリスを勝利に導いた面はあるのかもしれません。もちろん、そこには「最低限の精神的な余裕が持てるくらいの物質的な余裕」がまだまだあった、のだとしても。
しかしながら、ここで「イギリス人のユーモアの特徴」として挙げられている「自分を笑う能力」というのは、実はとてもすばらしい「生きていく知恵」なのではないかと思うのです。お互いに悪口を言い合い、言葉尻をとらえあって、「揚げ足取りの応酬」になっている日本の国会などを見ていると、「そんなつまらないことはもういいから、ちゃんと仕事してくれよ」と言いたくなるんですよね。ああいうときに、「言われた本人が笑ってしまう」くらいの余裕があれば、悪口を言う側だって、逆に考え込んでしまうはずです。この相手の悪口を言っても、相手は受け流してしまうし、かえって自分の印象が悪くなるだけなのではないか、と。悪口を言われたら真っ赤になって言い返すほうが、「人間的」ではあるんでしょうけど、そんな人間は「タフ」だと認めてもらえないのです。
【「イギリスが抱えている問題は3つある。教育と教育と教育だ」】とブレア首相が言ったという話を聞くと、イギリス人のユーモアに対する矜持はすばらしいけれど、個々のユーモアに関しては、そんなに日本とレベルが違うってわけではないような気もしますが。
12月03日(月)
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