ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■『スタジオアリス』の「子供ビジネスで客をつかむ秘訣」
 そういえば、僕の家からいちばん近い「トイザらス」にも、この「スタジオアリス」が隣接しています。僕にとって「写真館」というのは、大学時代に履歴書用の写真を撮りに行って以来全く縁がないところなので、「スタジオアリス」に関しても「この御時世に写真館なんて、商売になるのかな」と何度か思った記憶があるんですよね。もちろん、中を覗いたことも一度もありません。
 でも、これを読んで、「スタジオアリス」の人気の秘密がわかったような気がしました。もちろん、子供がいない僕には実感としては掴めないところもたくさんあるのですが、それでも、こういうシステムになっているのなら、自分でデジカメで撮影するよりはるかに確実に、「いい写真」が撮れるだろうな、と。
「写真館」といえば、頑固そうな館主が真剣な表情で「渾身の一枚」を撮影する、というイメージを僕は持っていたのですが、「いい写真」というのは、カメラマンの技術だけで完成するものではないのですよね。当然のことながら、被写体側のコンディションも非常に重要。でも、今までの写真館というのは、せいぜい、「貸し衣装を用意する」「日頃は無愛想な館主が、精一杯の愛想をこめて『はい、チーズ!』と声をかける」というくらいのものだったのです。
 ところが、「スタジオアリスで写真を撮ってくれる女性スタッフは、それまで幼稚園の先生をしていた人など、とにかく子供の扱いがうまい人が選ばれている」のです。
 「子供向け写真館」ですから、「子供扱いがうまい」に越したことはないでしょうけど、僕としては、「でも、このスタッフ、写真の腕はどうなの?」とか、つい考えてしまうんですよね。しかしながら、筆者は写真の技術的な細かいところよりも「子供の満面の笑みの写真が撮れたこと」に満足されていますし、たぶん、世間の大部分の親も、「ちょっとした写真の腕の差よりも、子供の表情を良くしてくれるカメラマンのほうがいい」と考えるのだと思います。もちろん、このシステムが可能になったのは、「取り扱いが簡単」で、「その場で撮った写真が確認できる」というデジタルカメラという道具の進歩のおかげでもあるのです。

 しかし、僕としては、この「スタジオアリス」のような写真館ばかりになってしまって、「昔気質で技術自慢のカメラマン」がいなくなってしまうのは、ちょっと寂しいような気もするんですけどね。
 そう言いながらも、僕もやっぱり自分の子供の写真を撮るときには、「スタジオアリス」に行ってしまうんじゃないかと思いますが。

11月14日(水)
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