ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「本当の本当のところは『嫌ンなるのに理屈なんざねェ』わな」
 もし、伊集院さんが自分の落語の才能に自信を持ち、やる気に満ちている時期に、この談志師匠の『ひなつば』を聴いたとしたら、「この人に追いついてやる」「この人を超えたい」と、さらに向上心を刺激されたかもしれません。
 そういう意味では、談志家元の言葉は、まさに「正論」なのでしょう。

 まあ、こういうのって、「好き嫌いで選んだつもりだったけれど、後から考えたらそれなりの理由があった」という場合もあるのではないかという気もしますし、「理由」が先か、「漠然とした感情」が先か、なんていうのは、けっこう曖昧なものかもしれませんが。
 ただ、後になって考えてみると、「漠然とした感情」が全く存在しないのに、なんらかの「理由」だけに基づいて何かを選んだり捨てたりすることは、ほとんど無かったように思われます。

 しかし、この話からすると、談志家元自身も、同じような経験があって、その「辞めたいと思った理由」というのを自分自身で突き詰めていったことがあるのでしょうね。自分が何かをやめるときの「理由」すら許せないというのは、なんて厳しい生き方なのでしょうか……

11月11日(日)
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