ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「Wikipedia」に関する嘘と真実
 「記述に偏りがある」とか「いいかげんな内容が多い」あるいは「政治的な意図による編集合戦」などの問題点が取り上げられることが多いWikipediaなのですが、学会の席では「Wikipediaなんてソースにはならんよ」と鼻で笑っている教授たちでさえ、陰で「参考にはしている」みたいなんですよね。もっとも、専門家レベルだと、書いてある記述を鵜呑みにするのではなくて、その項目に記載されている「参考文献」を自分で読んでみて判断材料にする、というような使い方だそうですが。
 そういう意味では、Wikipediaというのは、学問の世界において、「ソース」として信用されるというレベルではない、ということなのでしょう。
 もっとも、「ブリタニカ百科辞典」だって、学会の「参考文献」として取り上げられることは、ほとんど無いんですけどね。
 研究者たちにとっては、「Wikipediaなんて簡便なものをやすやすと認めてしまっては、専門家としての名折れ」という意識もけっこうありそうな気もします。
 この『ブリタニカ百科辞典』との比較は、掲載されたのが、有名な学術雑誌『Nature』ということもあり、僕も驚いてしまいました。まあ、実際のところは、『Wikipedia』に書いた人が『ブリタニカ』を「参考」にしたものが多いのではないか、という気もするのですけど。
 少なくとも、ネット上で植えつけられているイメージに比べると、(英語版の)Wikipediaは、「けっこう正確」みたいです。そう言われてみれば、いくら便利であってもあまりに嘘ばっかりでは、こんなに普及するはずもありませんしね。

 ちなみに、【Wikipediaの発足は2001年1月15日で、日本語版ができたのは2001年5月20日】【Wikipediaがある言語数は253】【英語・ドイツ語・ポーランド語・日本語の順番で項目数が多い(2007年8月22日現在)】【全言語における項目数約820万、日本語の項目数約40万(2007年8月22日現在)】【2006年の日本語版推定訪問者数約1850万人】。
 学会や専門家たちがどんなに「白眼視」しようと、Wikipediaが「無視できない存在」になっていることだけは、間違いないようです。

09月03日(月)
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