ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■デビュー直後の高橋留美子先生からの手紙
 僕は以前、「高橋留美子」というマンガ家を、「あんなマンガは『オタク』が読むものだ!」と頑なに拒否していました。『うる星やつら』がアニメで放送されていたのは1980年代前半なのですが、当時の「オタク」の代名詞は、「ラムちゃんのTシャツ」でしたから、ただでさえオタクの素養MAXだった僕としては、「これで高橋留美子にハマってたりしたら、もう、絶対に僕はオタクとしてみんなに白眼視される……」という恐怖感もあったのです。『めぞん一刻』は、同級生男子にもファンがものすごく多いマンガだったのですが、「そんな軟弱なマンガ、興味ない!」と僕は自分に言い聞かせていました。でも、友達がどうしても読めと貸してくれた最終巻を読んだときには、感動のあまり、寮で布団をかぶってちょっとだけ泣きましたけど。
 この本には高橋留美子先生の写真も掲載されているのですけど、なんというか、「ちょっと研究者っぽい感じがする、40歳くらいの女性」なんですよね。少なくとも写真からオーラが出まくっていたりはしません。

 ここで紹介されている、唐沢俊一さんからのファンレターへの「返事」には、「プロのマンガ家」であり、「少年マンガのメジャー誌で生き残り続けることへのこだわり」を持ち続けている「マンガ家・高橋留美子」の気概がこめられていますし、これだけまっすぐに「売れること、より多くの読者に読まれること」を追い求めてきたマンガ家というのは、他には、同じ『週刊少年サンデー』の看板である、あだち充先生くらいではないでしょうか。今はマンガ雑誌も多様化して、多くの「元・人気少年マンガ家」が、青年誌や一般週刊誌に作品発表の場を移しているというのに。
 マンガ家本人が年を重ねていくということを考えれば、そういう「大人の読者」を相手にしたほうが、はるかにやりやすいはずです。もう、今までの作品の印税だけで、これ以上働かなくても余生は遊んでくらせるくらい稼いでおられるでしょうし。それでも、高橋留美子というマンガ家は、「少年誌で勝負し続けて、読者のニーズに応えること」をやめようとしないのです。

 「マンガは楽しくなくっちゃ」と言いながら、「楽しいのはもちろんだけど、楽しいだけではないマンガ」を描けてしまうところが、高橋先生の魅力なのでしょう。 
 この特集記事のなかには、「手塚治虫先生に神様という言葉を使うのなら、高橋先生はマンガの神様に愛された人だと僕は思っています」との歴代編集者の言葉が掲載されています。
【『うる星』を描いている頃は、並行して連載している『めぞん一刻』を描くことが息抜きで、『めぞん一刻』の息抜きは『うる星』だとおっしゃってましたからね(笑)】
 いや、僕がもしマンガ家だったら、こんな「マンガモンスター」と同じ土俵で勝負するのは辛いだろうと思いますよ、絶対。

04月18日(水)
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