ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■新潮文庫の背表紙の秘密
 ところで、僕は最近、伊坂さんの作品である「死神の精度」「魔王」を新刊書で読む機会があったのですが、そのいずれも、最初に手にとったときには、「値段のわりには薄い本だな…」と思ったのです。でも、実際にページ数を見てみると、薄いと思ったその本は250ページを超えており、けっして「短いわりに高い」わけではないんですよね。そりゃあ、「もっと長くて、同じ位の値段の本」はたくさんあるとしても。
 このインタビューを読んでみると、伊坂さんは、新刊書の装丁においても、外見上「分厚くてお得な感じを与える本」にするのではなく、あえて薄い紙を使って、「本が厚くならないように」しているように思われます。しかしながら、いくら昔の作品とはいえ、わざわざ時間をかけて150枚も削ってしまうというこだわりっぷりも凄いですよね(ちなみに、『ラッシュライフ』のほうは、80ページくらい削っているそうです)。もちろん、そういう手間をかけることによって、コアなファンは両方読んでくれるというメリットはあるのでしょうが、削ることが必ずしもプラスになるとは限らないわけですから。

 「文庫化するときには、必ず書き直す」なんていう高村薫さんのような人もいるくらいなので、やっぱり昔から「本好き」だった作家にとっては、「文庫」というのは、特別な思い入れがあるものなのでしょう。作家になる人たちだって、学生時代に新刊書を買いまくるほどお金持ちじゃなかっただろうし。伊坂さんが【単純な話、安いほうが売れるとも思ってますし(笑)、それだけ多くの人の手に取ってもらえれば。】と仰っているように、同じ100万円の印税なら、2000円の新刊書が5千部売れるより、500円の文庫が2万部売れたほうが、よりたくさんの人にも読んでもらえているわけですしね。

04月04日(火)
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