ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「最初に文庫で出て、あとから単行本になる」
「文庫書き下ろし」の本もあるにせよ、現在の主流は、新刊書→何年か経ってから文庫化、というものです。いくら新しい本を読みたい、と思っていたとしても、新刊書の価格というのは、けっして「安い」ものではありませんし、「この金額だったら、文庫なら、2〜3冊は買える」と思えば、よほど「今、読みたい本」でなければ、手が出にくいのは事実です。僕も学生の頃は、「文庫になるまで待った」本がたくさんありますし。まあ、残念ながら、待っているうちに忘れてしまったり、どうでもよくなったりもしがちなのですけれども。
ここで姫野さんが仰っている「最初に文庫で」という発想って、あらためて言われてみれば、確かに、今の「本が売れない時代」に対する、ひとつの打開策であるような気がするのです。だって、買う側にとっても、安い文庫であれば経済的にも助かりますし、新しい作家の作品にも、気軽に手を出しやすくなると思うのです。新刊書で「話題作しか売れない」理由としては、価格が高いので買う側も「冒険」しにくい、ということもあると思うのですよね。書店で見つけて、ちょっと「面白そうかな」と思った作品が、500円ならその場で手を出せても、1300円なら、ハズレたらきついしなあ…とか、考えてしまいますよね。そして、結果的には、「一部の指名買いしてもらえる有名作家以外の本は新刊書では売れず、売れないから文庫にもならない」という悪循環に陥ってしまうのです。
まず文庫でたくさんの人に読んでもらって、コアなファンのためにハードカバーを出す、という発想って、まさに今、マンガが行っている売り方と同じなのです。そして、「新しいものが安く読める」というのは、とくに若者たちにとっては、ものすごく希求力がありそうです。
もし、その作品がものすごく気に入れば、「ハードカバー」を手元に置いておけばいいわけだしね。
まあ、江國香織さんの「着物写真」っていうのは、「特典」としては、本当にコアなファンにしか意味がないんじゃなかろうか、とか、「ハリー・ポッター」を出版しているところは大反対だろうな、とは思うのですが。
もしかしたら、出版社は、ごく一部の大ベストセラーで「ひと山当てた快感」が忘れられずに、現在のシステムをずっと続けているのだろうか……
02月01日(水)
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