ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「幕張のファンタジスタ」、ロッテ・初芝清伝説
「マサヒデ(小林雅英投手)と話したんですよ。やっぱり野球の神様はちゃんと見ているんだよな。当たり前だけど、サボっちゃダメだよなって。それからは、サボらずにバッティングの練習に打ち込むようにした。いつ代打で呼ばれても後悔のないようにね。
 プレーオフの最終戦、代打で呼ばれた僕が内野安打で塁に出れたのは、やっぱり野球の神様が見ていてくれたからだと思う。野球の神様が僕にご褒美をくれたんですよ、きっと」】

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 ああ、「Number」のこの記事を読んだだけで、僕は初芝選手が大好きになってしまいました。イチローみたいに、求道者のイメージがあるスーパースターはもちろん素晴らしいのですが、この初芝選手の愛すべきキャラクターと真面目に野球に打ち込む姿勢は、すごく魅力的ですよね。いや、本人は「笑ってもらえればいい」と仰っておられますが、日本ハムの新庄選手のような「天性のカリスマ」なわけでもなく、本人が一生懸命やればやるほど、なぜか笑いを誘ってしまう、そんな感じの好人物。
 初芝選手がいままでに遺してきた成績は、ロッテ一筋17年間の現役生活で、生涯打率2割6分5厘、通算1525安打、232本塁打。これだけ長い間現役でやってきたことそのものが凄いのだとしても、まあ、そんなにびっくりするような、目立つ成績ではありません。いや、僕も今年のプレーオフで初芝選手を見て、「まだ現役だったんだな」と失礼ながら思ったくらいです。
 2勝2敗で迎えた、ソフトバンクとのパ・リーグのプレーオフ・セカンドステージの8回の表、1対2で劣勢だったロッテは、初芝選手を代打に送りました。僕はちょうどテレビを観ていて、この選手起用に「この大事な場面で、今年で引退するベテランの『記念打席』だなんて、バレンタイン監督も勝負を捨てるつもりなのかな」と思ったのです。でも、打席に立った初芝選手が放ったボテボテのサードゴロは、あまり速くない(というか遅い)足を飛ばして、一生懸命走った初芝選手の執念が実って内野安打になり、その1本の内野安打をきっかけに、ロッテはパ・リーグを制覇し、日本一にまで上り詰めたのです。
 派手なホームランとかでなく、ボテボテの内野安打。でも、あれは確かに、今年のプロ野球の大きなターニングポイントでした。本当に泥臭くてカッコ悪かったけど、初芝選手にふさわしい「野球の神様からのプレゼント」だったのですね、あれは。
 長年のロッテファンからすれば、「そんなら最初からメガネかけとけよ!」とか「その金髪、何なんだ…」とか、きっと、やきもきさせられる選手だったのではないでしょうか。それでもみんな、絶対に初芝選手を嫌いになれないのです。
 「雲の上のスーパースター」だけじゃない、こんな「親近感がわく」魅力的な選手がいるかぎり、日本の「プロ野球」も、まだまだ捨てたものじゃないのかもしれませんね。

11月09日(水)
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