ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「スタート地点に戻るための人生」
「相手の立場を思いやる」というのはものすごく大切である一方で、あまりにそれにとらわれすぎていると何もできなくなってしまう、というのも現実なのかな、とも思います。医者は患者さんの痛みを思いやることは大事ですが、手術で切られる患者さんのことを想像しすぎて必要な手術を薦められなくなっては本末転倒ですし、電器屋に勤めていて、お客の身になりすぎて「ウチよりライバル店のほうが安いですよ」なんていちいち教えていては商売になりません。おそらく、家族のことを慮って「書かない」記者より、読者の興味を引くために「書ける」記者のほうが、「良い記者」なんですよね、きっと。
「隙があるから、被害者になってしまうんだ」「運が悪かったねえ」
でも、そのくらいの「隙」があるのが普通の人間なのだし、宝くじに当選することを信じられる人間が、自分や家族に偶然の不幸が襲いかかる不安に駆られないのは、それはそれで不思議なんだよなあ。
僕は拉致被害者の家族の方々を見ていて、いつもこんなふうに思うのです。この人たちは、自分のせいでもないのにこんなに辛い目にあいながら前進しているにもかかわらず、なかなかゴールにたどり着けません。しかも、そのゴールは、他の「普通の人」にとっての「スタート地点」でしかない。
「スタート地点に戻るための人生」っていうのは、なんだかとても悲しいけど、そこにたどり着かないと、すべては始まりすらしない。
本当は、恭二さんに今回の報道のありかたのおかしいところについて、具体的に指摘してもらいたいのだけれど、実際にはなかなか難しいのでしょうね。結局どこの世界でも、同業者を告発するのってやりにくいものだし、自分も同じことをやったかもしれない、なんて、つい考えてしまうからなあ…
12月27日(月)
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