ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「セクハラ」と「スキンシップ」と裸の王様
 ちょうど一年前くらいの冬、僕はダイエーの福岡3点セット(ダイエー球団・シーホーク(ホテル)・ホークスタウン(リゾート施設))のうちのひとつである、シーホークに宿泊する機会がありました。確か、5年前くらいにも泊ったのですが、そのときと比べて大きな違いに気がついたのです。それは、ホテルのあちこちに置いてある、「高塚社長づくし」とも言えるような、気持ち悪くなるほどのたくさんの高塚社長の著書の数々。ホテルのロビーやレストランの待合室、さらに客室にまで彼の著書が置いてあって、「好評発売中」とか書いてあるのです。まさに、「教祖」という感じだったのですが、一介の宿泊客としては、そういう異様なまでの持ち上げ方には、「自分の会社の社長を客に向かって誉めそやすなんて、非常識だなあ」と呆れ返りました。「シーホーク」のスタッフにはとくに変な人はいませんでしたし悪い印象はなかったのですが、その「教祖本責め」に関しては、正直かなり不愉快だったのです。「なんでお金を払って他人の自慢話を聞かされないといけないんだ?」って。
 こうなってから思い出すと、いくら「カリスマ」でも、やっぱり異常な状況だったのでしょう。
 逆に、よくあんなになるまで、みんな黙っていたなあ、と不思議なくらいで。
 本を買わされて余っていたのなら、ヤギの餌にでもすればよかったのに。

 それにしても、この高塚社長をここまでつけあがらせた周囲の人たちの責任というのは、問われることはないのでしょうか?ダイエーの中内会長をはじめ、明らかな「セクハラ」を「スキンシップ」と言い換えて全肯定した取り巻きのイエスマンたちは、高塚氏が解任されてしまえば「たまたまうちの社長をしていただけ。うちには関係ない」と突き放して自己保身を図ろうとしています。
 この問題の背景には「あれだけの手腕があるのだから、多少の問題には目をつぶろう」という経営側の「本音」が感じられるのです。あの赤字事業を黒字に転換させたのだから、セクハラくらい、いいじゃないか、という視点や「ダイエーという巨大船が沈むことを考えれば、生贄を何人か差し出して済むなら、それでいいじゃないか」という諦め。

 こんな「暴走」を止める人が誰もいなかったなんて、たぶん、ダイエーは「潰れるべくして潰れた」会社なのでしょう。僕はこのニュースを聞いて、あらためてそう感じました。
 でも、この「セクハラ社長」のアイディアに僕も踊らされて「3点セット」を利用していたのですから、偉そうなことは言えませんが。
 そして、人間というのは、「能力」と「モラル」がかならすしも比例するものではなくて、本当に「恐ろしい人間」を造るのは、本人の力だけではなくて、周りの「協力」があるのだろうなあ、とつくづく思います。
 これだけ多くの利用者の「ニーズ」を的確に分析できていた人が、自分の目の前にいる女性が「スキンシップ」を嫌がっているかどうかの判断もできなくなってしまうなんてね…

10月26日(火)
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