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ダメダメ医学生の京風日記
by 伯耕
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■日本の夏、京都の夏
時刻は午後11時過ぎ、京都三条木屋町。
久々の梅雨の中休みで昼間は夏全開の京都だったが、
さすがにこの時刻ともなると暑さも和らいできた。
しかし、京都の夏独特の蒸し返すような湿気が高瀬川から湧きあがり、
京都一の歓楽街であるここ木屋町も押し寄せる人並みの間には
常にむっとするような熱気が漂っている。
川沿いの柳の木がその熱気を受け止めるかのようにゆっくりと揺れている。
喧騒の中、静かに高瀬川のせせらぎが聞こえている。
鴨川から断続的に打ち上がる花火を横目に、
飲み人が行き交う三条大橋を俺は自転車で駆け抜けた。
今日は祇園祭最高潮の夜、宵山ということもあり、
車道にはタクシーが溢れ、合流する路地からは
浴衣姿の男女が溢れ出してくる。
普段は現代都市京都の住人である彼らも
今日一日は古き良き日本の夏を満喫しているようだ。
鴨川の河川敷では戯れるカップルを背景に、
度を越した酔っ払い達が嬌声をあげていた。
川面には飲み屋街の色とりどりの光が静かに揺れている。
また花火が上がり、河原から歓声が上がる。
仕事帰り、毎度おなじみの木屋町での飲み。
ようやく1学期の講義がある程度終わり、打ち上げも兼ねて。
仕事の愚痴、ゴシップなど毎度変わらぬネタに盛り上がり、
深夜1時過ぎにようやく飲み終わり上機嫌で自転車に乗り込む。
深夜1時といえども木屋町の夜はまだまだこれからだ。
高瀬川沿い、柳並木の下を浴衣の人込みをすり抜けながら自転車を走らせる。
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木屋町を抜け、三条大橋を渡る。
また打ちあがった花火に川辺から小さな歓声が上がる。
涼しいながらも湿り気を含んだ風が川面から吹き寄せて来る。
誰が落としたのであろうか、鮮やかな団扇が一枚、
赤い軌跡を残して俺の視界を通り過ぎていった。
2003年、日本の夏、京都の夏。
07月16日(水)
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